参加者同士がじっくり向き合う1泊2日
合宿後の職場にさまざまな変化が芽生えた
株式会社メトロールさま
2000分の1ミリ精度で機械のズレを確実に検知する「機械式精密位置決めスイッチ」を開発。世界トップクラスのシェアを誇る株式会社メトロールでは、毎年、1泊2日のチームビルディング合宿を実施しています。実施の目的や効果について、生産部門長の取締役専務と、マーケティング部主任の松橋泰さんに話を伺いました。
概要
◆課題◆ コミュニケーションに小さなほつれが現れる
2015年、生産拡大に伴い、道を隔てた建物に新たに工場を増床。計画どおり生産性は上がったが、コミュニケーションに小さなほつれが見られるようになってしまう。事態を重く見た経営陣は、2017年に生産部門を再びひとつのフロアにまとめた。
◆取り組み◆ チームビルディング研修実施を提案
再びまとまった生産部門だったが、コミュニケーションは量・質ともにまだまだ十分とは言えなかった。どこか遠慮がちな雰囲気を敏感に察知した松橋卓司社長は「主要メンバーでチームビルディング合宿を受けてみては?」と提案。1泊2日の合宿が企画されることとなった。
◆研修の効果◆ 報告・連絡・相談が量も質も上がってきた
参加者同士が共通の体験ができるチームビルディング合宿を行ったことで、参加者の間に一体感が芽生えてきた。上司と部下の関係も垣根が低くなり、部下は提案や相談の数が増えた。また、上司も、部下の話がよく聞けるようになった。報連相の質が上がり、量も増えはじめている。
内容充実の1泊2日プログラム
生産部門の製品部18名が1泊2日の合宿プログラムに参加しました。今回の合宿テーマは「報連相(ホウレンソウ)」の見直しと強化。参加者の緊張をほぐすアイスブレイクを実施してから、2チームに分かれて課題解決のアクティビティに挑みました。
「メンバーでゆっくり話す時間を取りたいと考えました」と、1泊2日プログラム採用の理由を話してくださったのは、主任の松橋泰さん。時間をかけじっくり向き合うことで、よりよいチームワークが育まれることに期待したと言います。
プログラムでは心身ともに互いをささえることでミッションの達成を目指すアクティビティや、お客さまに製品を届けるシチュエーションを再現して、連携の大切さを見直すアクティビティなどを実施。楽しい仕掛けが満載の活動に、参加者はのめり込み、真剣に取り組むからこその学びが生まれます。
「みんなで協力して真剣に取り組むとなんとか達成できる。だから達成感が大きい。よく練られたプログラムだと思いました」(取締役専務)。
研修の後、メンバーの様子に変化が!
「会社でこの合宿を実施するのは初めてではありません。そのため、私自身は体験していなかったのですが、“こんなものだろう”となんとなく思い込みがありました」(取締役専務)。しかし、実際に体験するとまったくの別物と言います。
「正直、驚きました。合宿を経て、製品部は様子が変わりました」。製品部には毎月、社員がふたつずつ業務改善案を出すという目標があります。2017年前半、提案の数は目標に達していなかったそうですが、合宿後に改善。その成果を「達成経験を共有できたことが大きい」と取締役専務は分析します。「提案を出してトライ&エラーを繰り返す。小さな提案の積み重ねが、やがて達成を生むことが共有されたのです。それを身体で理解できたことにより提案が増えました」。
また報連相が密になり、業務の流れもスムーズになったそう。「上司も部下の話を聴くようになりました。報連相には“聴く側の姿勢も大切なこと”を学んだのです」。
「あの合宿で、ひとりでは無理なことでも力を合わせればできることを学んだだろう?」と、いまでもチームビルディング合宿の成果は、製品部での合言葉のようになっていると言います。「実施してよかったです。学んだことを反復して、日常に定着させていくことが課題ですね」と、松橋さんは笑顔で語ってくれました。