ファシリテーションとは?
2018年12月14日
この記事はファシリテーター Advent Calendarの一環として書いています。
他の方たちの記事も面白いのでぜひ見てみてください~
https://adventar.org/calendars/3052
ファシリテーター Advent Calendarということで、これを読む方がどんな記事なら面白がってくれるかな~と考えを巡らせました。最初は「ファシリテーションでこんなにチームが変わる!」みたいな事例を紹介しようかな~と思っていたのですが、そんなよその会社のキレイな話もつまらないかと思い、あえての直球のお話にしようと思います。
直球そのまんまですが「ファシリテーションとは?」ということをお話ししようと思います。
人によって、団体によって定義も微妙に違ったりもしますが、そういうのを全部横に置いておいて、
「ファシリテーションとは、コミュニケーションの流れを作ること」
です。
ファシリテーションというと、組織の会議のファシリテーションを思い浮かべることが多いかもしれませんが、実際はファシリテーションって会議のためのものだけじゃないんです。
たとえば、ドラムサークルみたいな一見ただみんなで太鼓をたたいてるだけみたいな場にもファシリテーションがあります。お互いの音を聞き合って、発し合って、何も話し合いませんが主に音や視線などだけでコミュニケーションを取り、ひとつの音楽を奏でるようになります。その場を作るのはコンダクターではなくて、ファシリテーターです。
全員がちゃんと聞き合って、発し合って、コミュニケーションをとり合えるように流れを作るのです。
チームビルディングの世界でもそうです。チームビルディングは幅が広く、組織開発や研修もあれば、組織の関係性の質の向上だけを目的として行われるイベントのチームビルディングもあります。やる内容としては会議とは全く違い、チームで力を合わせて何かの目標を達成していくゲームのようなものを行っています。そこで参加者が夢中になって、関わり合いながら目標を達成していく場の流れをつくる役割は司会やMCではなくてファシリテーターです。
なので純粋にはコムズカシイことは何もなく、ただ「コミュニケーションの流れをつくること」がファシリテーション。
どんなコミュニケーションの流れをつくるのか?はその目的や場を作るファシリテーター次第。
ガチガチに堤防を固めた流れをつくることもあるかもしれないし、雨が降った地面を流れる水のように何もないところを自由に流れる流れもあるかもしれない。
重要な要素は
「コミュニケーションが起こる」
ということと
「流れが起こる」
ということ。
いろんな会社の会議を見に行くことがありますが、コミュニケーションが起きていないし、当然流れもないという会議がたくさんありますよね。
人が集まる場を作っているのに、コミュニケーションの流れを起こさないというのは大変な損失。たとえば、会議で一人ずつ順番に発表して終わるだけみたいな場。発表する側は伝えているけれどどこまで受け取られたのかも良くわからない。聞いている方も受け取っているのかもしれないけれど相づちも打たないみたいなこと。結構起きています。それがコミュニケーションの流れのない状態です。(厳密にはそれでも色々な無言のコミュニケーションが起きてはいますが)
「流れ」についてもうちょっと言うと、誰かが発して、それを受け取った誰かが受け取ったものを発しての連鎖がつながっていくようなものが流れです。そこにファシリテーターがいると、その流れを起こすように最初はその呼び水となるようなきっかけを色々と作りますが、流れが起き始めるとファシリテーターはその流れから離れても自然と流れ続けます。
それからファシリテーターがつくるコミュニケーションの流れには時間の制約とそれまでに達成するゴールの制約が大きく影響します。通常、どんなコミュニケーションの流れをつくるにしても、それに使える時間があり、その時間が終わった時にどこにたどり着いていたいかというゴールがあります。時間が長く、ゴールの自由度が高ければより対話の内容や中身もより自由度が高くデザインできます。自由にうねうねと流れる川のような流れをつくれます。
コミュニケーションの流れがどう流れていくのかが心配だとカチッと固めた流れをつくろうとします。多くの経験豊富なファシリテーターは有機的なコミュニケーションの流れを作ることを大切にして、どう流れていっても大丈夫という自信もあります。
「ファシリテーションとはコミュニケーションの流れをつくること」というとてもシンプルなことですが、それはとても奥深く、探求しがいのある世界なのです。