第70回『ゲームで研修(5)学びたくなる研修』
2017年11月30日
代表河村がチームビルディングを切り口に
さまざまなテーマでいろいろな人と話し合った様子をお届けしています。
今回の『ゲームで研修』は、
株式会社HEART QUAKE(ハートクエイク)代表である千葉 順さん
をお招きしての対談です。
http://heart-quake.com/ceo.html
河村 甚(写真左、以下じん)
ゲーム研修の良いところは、
もっと学びたい、と興味がわくということだと思う。
学ぶために頑張るのではなく、
おもしろい、楽しいという気持ちから、学びが促進され、さらに学びたい気持ちも湧いてくる。
そういった興味が湧いて、学びたいという気持ちの状態を作るって、なかなか難しい。
気持ちがあるときに学ぶと、すごく深い学びが得られる。
単にゲームをやりました、だけでなく、
湧いた興味を元に、日常の中で学びが深まっていくということがあると思う。
千葉 順さん(写真右、以下ちばじゅん)
ゲームとして学ぶよりも、座学として学ぶ方が情報量としては多いはずなんです。
ゲームは重要な要素だけを抽出して
そこに気づいてもらうという目的で作っている。
だから情報量としては足りない。
まだ満たされていない空白の要素を埋めにいきたいという欲求が
自ら学びたくなることにつながっているのかも知れないですね。
先日体験していただいたメンタルヘルスのゲームでも
そうだったと思うんですけど、
あれって、メンタルヘルスの一部しか伝えられない。
もっと広い知識が必要であることはみんなわかっているはずですよね。
でも、一部を知ったときに、もっと体系的に全体を学びたくなる。
ゲーム自体が楽しく、設計されているので
興味をもってもらいやすいのかも知れないですね。
じん
なるほどね。
ちばじゅん
難しいのは、
ゲームの方に集中して、学びから遠ざかってしまう人もいるってことですね(笑)
じん
そうだよね。
だから学びの効果を出したいときは、
ゲームでの体験をちゃんと振り返るということを
付けておく必要があるよね。
そうすると、ゲームに集中した人も、
「あっ、そうか」と学びを得られる。
ちばじゅん
振り返りは重要ですね。必ずゲームとセットです。
また、僕は、ゲームと振り返りの間に5分から10分、
休憩を必ず入れるようにしています。
ゲーム後にいきなり「振り返りです!」と言われるよりも、
休憩が入ってから振り返りを実施した方が効果的なんです。
1回トイレに行って歩いて帰ってくる間に、
自然と振り返っていると思うんですよね。
で、席に座ったときには、振り返りのウォーミングアップができている状態になっている。
そのためにあえて休憩を使っています。
じん
さすがですね。
休憩効果
じん
休憩効果ってあるよね。
ちばじゅん
うん・・・あると思いますね。
じん
うちのプログラムでも、休憩をあえて使うということをしてますね。
今、話に出た内省だけではなくて、つながり合いが起こるんです。
休憩中の雑談でアイデアとアイデアがつながったりする。
何か話し合っていて行き詰まったときに、休憩をとることで、
内省して、個人の中で整理されていくことがある。
それに加えて、休憩の時にコーヒーを淹れながら
「さっきのあれさ、どう思う?」「こうじゃないかな」と
隣の人と一対一でちょっと雑談が始まったものが
すごく膨らんでいったりして
次の何かの解決策であったり、すごい発見につながっていったりすることがある。
そういうことは、
カチッとテーブルに座って話してもらっているときには起こらない。
休憩すると、起こることがある。
「起こることがある」だから、意図しては起こせないけど。
ちばじゅん
ワールドカフェの発想が生まれた感じのイメージですよね。
じん
そうそう、それと一緒だね。
働き方改革
じん
ちょっと話題が変わるけど、
ちばじゅんの働き方に興味があります。
「個人働き方改革」とでもいうか、
自分で自分の働き方を生み出している。
ビジネスのスキームの組み方とか、
自分がどう生きたいのかとか、全て含めて
自分の周りにシステムを作っている感じがする。
それってすごくいいし、
みんなもそうできたらいいと感じるんじゃないかなと思う。
その辺の話を聞きたいな。
ちばじゅん
なるほど、個人働き方改革(笑)
みんながやりたいかどうかはわからないですけど、
少なくともそういうのをいいなと思っている人はたしかにいますね。
「働き方改革」なんですけど、
そもそも僕の中での問いは、
「働きたいですか?」ってことなんです。
ここは賛否分かれるところで、
「働きたい」という人もいれば、
「働くのはそんなに好きじゃない」という人もいます。
僕はどちらかというと後者。
働けるけど、そんなに働きたくないというタイプです。
ベーシックインカムがあって働かなくてもいいというなら、
働いてないかもしれない。
やってみないとわかりませんが・・・
やってみたら、飽きて働きたくなる可能性もあります。
働かないとまではいかないまでも、なるべく短い時間で働きたい。
時間の使い方として、
お金を得るために使う時間と
楽しさのための時間。
もちろん重複している部分はありますよね。
楽しみながらお金を得られるときもあります。
完全に一致している人はそれはそれで素晴らしい。
僕の場合は、円のところが普通の人よりは遠いかもしれない。
中心部分が少ないかもしれないです。
あまり働かずに、時間をかけずに
とはいえ暮らしていかなくてはならないので、
どう稼いで暮らしていくかと考えると、
基本的には、ストックになるモデル・・・
時間を仕組みに投入して
仕組みがお金を生み、
それを再投資して、お金をお金が生むっていう仕組みを作った方がいい。
昔はお金がお金を生むには不動産ぐらいしか選択肢がなかったですけど、
自分でビジネスをつくるということも最近はできますし、
仕組みを作ることが比較的簡単にできるようになった。
僕自身はそういう仕組みを作ることに興味がありますね。
やってみて思うのは、「やっぱり仕組みはすごい」ということですね。
仕組みは、モチベーションや努力や疲れを感じない。
なんか、仕組みやシステムに勝てないなって思っちゃうんですよね。
ただ、システムは同じことしかできない。
システム自身が工夫したり、プログラムされたことを自分たちで改善したりすることはできないんですけど、
ただ、モチベーションや努力、疲れを考慮することを必要としないというのは、素晴らしいなと思いますね。
じん
ひたすら同じことをやり続けて、
かつ、利益を生み出してくれるわけだよね。
ちばじゅん
できれば自分の時間やお金を楽しさの方にもっと振り分けたいので、
なるべく時間をかけずにお金を生み出せる何かを作りたい、というのはあります。
それが自分の働き方に関する一番大きいところですかね。
これはもう賛否あって、
音楽が好きだという人がいれば嫌いだという人もいるのと同じように、
仕事が好きだという人がいれば嫌いだという人もいる。
それでいいじゃないかと思います。とはいえ、仕事したくないというのはあまり受け入れてもらえないですが。。。
じん
自分はチームビルディングジャパンの仕事をしていて、
それに働きがいを感じるし、
大変なところをなんとかブレイクスルーして、
頑張って結果を出して、お給料をもらう。
そういうのが入り交じったところに喜びを感じている。
それと同時に、ゲーム的に完全に非俗人化したビジネスもやってみたくって、どうしたらできるか考えている。
不動産はかなり非俗人化できるようにビジネスが回っているし、
今のちばじゅんの商売も、ある意味非俗人化できる。
最低限これだけあれば自分の安全が保てるという
ベーシックインカムがあれば安心。
チームビルディングジャパンの仕事は給料が頂ける仕事と幸せが両立しているけれど、それとは別に完全システム化したビジネスのゲームもやってみたいなぁって感じなんだよね。
でもこれ、実際すっごく難しいなぁって思っていて、
お金という元手をかければそういうシステムを買うができる。
でも、ちばじゅんはシステムを作るってことをやって、
そしてそのシステムが稼いでくれる、というビジネスをしている。
これは素晴らしいよね。
自分でも何ができるかなぁと考えるんだけど、
これがなかなか無いんだよね?。
アイデアやビジネスモデルも簡単じゃないけど、ちばじゅんみたいにシステムを作るのが上手じゃないから、
ほんと、ちばじゅんはすごいなぁと思うんだよね。
システムを作る
ちばじゅん
ありがとうございます。
元々エンジニアなので、システムを作るのは自分の得意分野だと思います。
エンジニアというのは、ある事象の中から再現性を紡ぎ出す仕事なんです。
再現性の部分だけをデザインするという仕事なので、
あまり例外には対応できないんですが、
世の中の8割ぐらいのよくあるパターンに関しては
満たせる可能性があります。
そしてその8割のことは2割ぐらいの工数で実現できる。
でも残りの2割のことは結構時間を掛けないとできない。
8割の再現性を紡ぎ出すことは訓練もしてきましたし、
自分の特性なのかも知れません。
じん
すごいよね。
ちばじゅん
あとは、「エンジニア3大美徳」というのがあって、
その中の一つに「怠惰」というのがあるんですけど(笑)
じん
へぇ?!
ちばじゅん
怠惰、つまりめんどくさがりの方がエンジニアには向いている、と。
同じルーティンワークを自分でやるのは嫌だから、
システムに置き換えたい。
じん
根性でひたすらやればいいのではなくて、
1回仕組みにしちゃって、コピペでできるようにする訳だよね。
ちばじゅん
毎日同じことをして楽しめる人もいる。
そういう人はエンジニアという職業には向いていないかも知れませんが、全然悪いことではないし職人的に突き詰めていくこともできるかもしれません。
自分はエンジニア側なんだろうな、と思いますね。
じん
それで思い出したことがある。
住所、メールアドレス、電話番号、
パソコンかスマホでタイプして打ち込んでいるのを
脇で見ていたエンジニアの人に
「えっ、それ辞書登録してないの?」って驚かれたことがあった。
住所とかメールアドレスとか何回も打つものは、
辞書登録しておけば一発じゃん、やってないのが信じられない・・・
と言われたのを思い出しました。
ちばじゅん
僕はこのスマホ、めちゃくちゃ辞書登録してます。
じん
やっぱり!(笑)
そういうことだよね。
ちばじゅん
めんどくさがりやじゃないとできないと思いますし、
ちょっと訓練も必要だと思います。
僕は前の会社にいたときに、こう言われたことがあります。
これは同期の言葉なんですが、
「2回同じことをやっていたら、それはシステムに出来る」。
じん
ほぉ?! 面白いね! 深いね!
ちばじゅん
2回は言い過ぎかもしれませんけど、
5回やっていたら改善の余地があるという風に思います。
じん
面白い!
ちばじゅん
ただ、まずは気づかなくてはならない。
2回同じことをやっているということに気づくには
訓練が必要です。
嫌いなこと、別にやりたくない仕事ならなおさら気づいて、仕組みにする。
例えば、うちの会社では、ゲームのレンタルビジネスをしているので、
ゲームの配送業務があります。
僕がゲームのキットを送るのは、
やりたいことでもないし、得意なことでもないし、時間が取られるのが嫌なので、
業務委託の方にアウトソーシングという形にしています。
ここに、何日に、何個送ってください、というのをお願いする。
するとその方がゲームキットを送ってくれて、
僕のところには伝票番号だけ送られてくる形にしている。
コストはかかりますが、こういったアウトソーシングも仕組み化の一つですね。
じん
そうだよね。たしかに。