第52回『チームビルディング研究会(1)研究者たち』
2017年03月23日
マナビクリエイト代表。http://manacre.com
企業や大学向けにリフレクションを中心とした組織活性プログラムを提供するリフレクションの実践研究家。毎週金曜日には、多様な社会人が学び合う「フライデーリフレクション」を主催。東京を中心として全国の1,200名以上が学び合う越境学習の場を構築している。お互いの経験を共有し、学び合うチームの構築を通して、個人と組織の活性化・変容を支援している。九州大学大学院 総合理工学府 量子プロセス理工学修了(工学修士)。
大橋 正司氏
サイフォン合同会社代表社員兼CCO。http://www.scivone.com/
インフォメーションアーキテクト。ウェブサービスやアプリの開発にデザインフェローとして携わり、サービスを通じた長期的な顧客との関係性づくりを主眼に置いた設計の推進を支援している他、アニメーターの業務、教育を支援するツールの開発など、創造的な活動を支えるための情報、仕組み、環境の整備に関連する幅広い領域で活動を行っている。東京大学大学院 情報学環・学際情報学府修了(学際情報学修士)。
河村甚(写真右、以下じん)
今回はメルマガ対談初の3人対談です。
どうしてお二人と対談したいと思ったのかといいますと、
最近ご縁があってなかしーといろいろやっているんです。
一緒に活動する中で、なかしーの考え方とか、研究者気質なところに僕はすごく興味を持っているんです。
普段から僕が面白いと思っているところを、なかしーは得意でやっている方なんですよね。
それで対談できたら面白いなと思いました。
なかしーに対談相手をお願いしたところ、快諾してくれました。
そして大橋さんも一緒にどうかと提案してくれたんです。
これからしばらく対談にお付き合いいただきますが、
まずはなかしーが何者かの自己紹介と、大橋さんをご紹介いただいた理由、
そして大橋さんからも自己紹介をお願いします。
中島さん(写真中央、以下なかしー)
はい。僕は中島といいます
振り返りとか内省と呼ばれる「リフレクション」を軸として、リフレクションの実践研究家として活動しています。
リフレクションで何をしたいのかといいますと、大きくいうと、
「一人ひとりがよく生きる」ということを考えているんです。
「よく生きる」ために何が必要かというと、
一人ひとりがどうありたいかを考えることなんですよね。
それを考えるのに一番大切なのがリフレクションだと考えています。
ちなみに、僕は「よく生きる」は「よく働く」だと思っています。なのでいわゆる「働き方」の側面からリフレクションを捉えていることが多いです。
そう考えるようになったのは、自分の大学時代や企業で働いているときの経験からきています。
大学時代は量子化学という分野でコンピューターシミュレーションをしながら研究をしていたのですが、僕は研究がとても好きで、そして得意なことでした。おまけに、その研究活動が世の中にとって価値のあることだと、胸を張って言うことができました。
?好きで、?得意で、?価値がある・・・この3つのファクターが揃っているものをやっていると人生はこんなに楽しいんだ、ということをそのとき感じたんです。
ところが、ふと周りを見渡してみると、この3つのファクターが揃っていることをやっている人は案外少ないんじゃないかと思って。
好きで、得意で、価値がある仕事がみんなできたら楽しいのにな・・・と、そんなことを思ったんです。
そこから、キャリア、教育、人の成長、学びというものに興味がいきました。
今は、リフレクションを実践しながらその手法の研究をしていますが、最終的にはそれを使って働き方も大事だけど、よく生きるということを目指せるといいな、と思っています。
というわけで、リフレクションというものを今探求しているんですけど、
リフレクションはまだ明確に手法化されていないと思っていて。
上手い人は上手いけど、できない人はできないんです。
なのでそれを多くの人ができるように、
誰でもできる仕組みを作っていきたいし、それを実践できる場をつくっていきたいと思っています。
じん
そういうのが誰でもできるような仕組みを見つけるのが好き?
なかしー
仕組みを見つけるのが好きですね。
「よく生きる」というのは人によっていろんな生き方があると思うんですけど、
僕の場合は仕組みを見つけるっていうのが「よく生きる」と言う感じ。やはり研究者気質なところがあるのかな、と思います。
僕は「利己利他」という言葉を軸に物事を考えます。
自分も良いことだし、その行為が利他であること、
人のためにもなると信じ切れることをするのがいいと思っているんです。
利己利他になること。それが僕にとってはリフレクションの探求。
探求は利己だし、それが実を結んでみんなが良く生きるための手法を見出すことが利他、と考えています。
ちなみに大橋さんを呼んできた理由は、
この場のアウトプットが良くなると思ったからです。
僕は3つくらいの視点がちょうど好きなんですよね。
飲み会とかなら4人か5人でもと思ってるんですが、こういうクローズな場でしっかり深めるなら3人かなと思ったんです。
誰か人と話すとき、僕とは違う視点でちょっとその場を見ることができると話が深まります。
そういう意味で大橋さんはメディア論が専門で、
僕の専門は量子力学などの理系視点が専門なので、
そこにじんさんも合わさると面白い視点がたくさん出てくると思います。
それとね、大橋さんがいると今一緒に作っている自社サービスについてここでより楽しく話せるという悪い大人な気持ちもあります(笑)
大橋さん(写真左)
大橋です。
お二人は「組織開発系」の領域だとすると、
僕はWEB、ITという領域の人です。
本職はインフォメーションアーキテクト(IA)・・・情報設計が専門です。
みなさんがよく見ているようなWEBサイトをおもしろくしたりわかりやすくしたりすることが仕事です。
今日呼ばれたアウトプットが良くなる
情報って何なのかを考えると、
全て人間の活動ーー人とのやりとりや、自分の中での内省も含めてーーの結果、情報って生み出されているのです。
つまり情報を取り扱うということは、人の活動を取り扱っているということだという見方もできるわけです。
なかしー
情報の定義とか気になりますね。
大橋さん
それはですねー、派閥がいっぱいあってね、難しいんですけど(笑)、
情報とは何か、後で掘れるなら掘りましょう。
なかしー
リフレクションも同様ですね。
リフレクションって何?といわれても、色んな人がいろんな立場から言っているので、難しい言葉になっているのではと思います。
だから最近は、リフレクションって○○だよ、と自分たちで定義することが大切かなーなんて思っています。
大橋さん
「実務家」という言葉を使うと全て許されそう・・・で、許されないんですけど(笑)、
実践をして実践をした中で出てくるものってそれなりに価値がある。
なかしー
実践で世の中動いてると思うんですよ。
じん
実践を元に研究したりするわけですよね。
大橋さん
実践とは何かみたいな話も、情報を考えるときには非常に重要になるんです。
そもそも、その実践というのは何を源泉として、その実践に至っているのか。
情報学、
こういうことを生業にしている人たちが、
組織開発という領域と隣同士、表裏一体だということのエッセンスだけでもお伝えできれば。
じん
いいですね?。わくわくします。