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第22回『共同生活から学ぶコミュニティづくり(5)ファシリテーションと共に』

2016年01月28日

チームビルディングの話をしよう
※2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、代表河村がチームビルディングを切り口にさまざまなテーマでいろいろな人と話し合った内容お届けいたします。

※今回の『共同生活から学ぶコミュニティづくり(5)ファシリテーションと共に』は、
第18回『共同生活から学ぶコミュニティづくり(1)学寮アドバイザーという仕事に就くまで
第19回『共同生活から学ぶコミュニティづくり(2)日常に根付くファシリテーション文化
第20回『共同生活から学ぶコミュニティづくり(3)共同生活の原体験
第20回『共同生活から学ぶコミュニティづくり(4)共に生きる場
の続きとなります。

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じん
今後やすこさんの興味のあることは?

 

やすこ
そうですね。SCCでファシリテーションに出会った事がきっかけで、わたしももっと知りたいなという気持ちが高まり、去年拓殖大学の「国際開発教育ファシリテーター養成コース」という公開講座を受講しまして、そこで出会った仲間たちと活動しています。
例えば今取り組んでいるのは「食品ロス」について、身近なところから視点を広げるようなワークショップができたらいいなと思っています。

 

じん
なるほど。

 

やすこ
日本は食べ物を輸入しているのにも関わらず、廃棄している食品も多くて、レストランやコンビニの廃棄もそうなんですけど、それよりも家庭での廃棄量が結構多くを占めているんです。
その一方で日本の中でも食べ物買えないとか、食べられない子どもたちもいたりするんです。フードバンクというまだ食べられる食品を企業から集めて、それを必要な団体や施設に分けるようなNPOもあります。
食品って身近なんですけど、どうしたら廃棄を少なくできるかなどを考えるキッカケとなるワークショップを作れたらいいなと思ってますね。

 

じん
フードロスにはちょっとうるさいハンガー・フリー・ワールドの渡邉さんともこの対談シリーズでお話してたんですよ。飲み会なんかでもみんなで残さないようにしようって、ちょっとゲーム的に取り組んで、ホントにみんなでキレイにロスを出さずに終われた時は達成感があるってお話しされていました。
世のため人のために良いことをするにも苦しんでやるんじゃなくて楽しんでやれた方がいいよね。

 

やすこ
そうですね。サルベージパーティというものもありまして、賞味期限内なんだけれど家で余ってしまっている食材を皆で持ち寄って、シェフがメニューを考えて一緒に料理をしたりするんです。

 

じん
それ面白いね〜!

 

やすこ
そういうことも出来るかな、と。
実際、わたしも家の冷蔵庫を見て驚きまして。
まずはわが家からだなと思ったんですけど。

でもこういうものは「なんで!?」と問い詰めるすぎちゃうと解決しないので、そこのアプローチは難しいですけど。食品ロスを発生している罪悪感を持って帰るようなワークショップではちょっとね。

 

じん
罪悪感を持ってもらうんじゃなくて、その問題に気づくキッカケとしたいよね。

 

やすこ
そんな食品ロスのワークショップを、今度立教大学のファシリテーション論の授業でやるんです。色々なアイデア出しをしている中でたまたま出会ったアイデアで、他にも貿易ゲームとか、フォトランゲージっていう写真を見ながらどういう状況か考えてどういう支援が必要かを考えるワークショップ等の案もあったんですけど、食品ロスにみんなビビビッと来ました。対象の学生たちもその方が身近に考えやすいだろうということもあります。

 

じん
なるほどね。

 

やすこ
それからこの講座のメンバーで月一回「マイワールド・カフェ」というものを開いています。マイワールドをカフェのような空間でゆったりとしながら話して、その人が体験したことやその人のバックグラウンドとかを語ります。「わたしの原点」というサブタイトルでやっているんですけれども、「なぜファシリテーションに興味を持ったか」「なぜ開発教育に興味を持ったか」などを一年間一緒にやってきたメンバーなんですけれども、もっと深掘りして共有していくということをしています。

 

じん
いいよね。自分も昔海外で教育プログラムにいた時に150人くらいのいろんな国から来たメンバーいるんだけれども似たようなことをやってた。そこでは生活の全ての持ち物がスーツケースの中だったから自分の全てを開いて見せる的な意味合いで「スーツケース」と呼んでいて、一人一人の話をする時間を持ってた。その中ではずっと一緒にいるのに知らなかったことだとか、「こいつ以外といいヤツじゃん」とかが見えてくる。

 

やすこ
そうなんですよね。こんな共通点があったんだとか、普段言えなかったんだけれど、これ言っていいかなって、改めて言えるってこともあったり。

 

じん
そういう機会は特別だよね。どこまでがいいのかはわからないけれど、自分を開いて見せると他の人もちょっと開いてくるということがある。ただ事実の羅列だけだと響かないし、他の人も開いてくれないけど「こういう所で自分の気持ちが動いている」だとか「こういう所にホントに自分の思いがあって」といった話が響くと開きあえるようになってくるよね。

 

やすこ
そうですよね?

 

じん
ファシリテーションと一言で言ってもその幅も奥も広いね。

 

やすこ
そうですね。わたし自身はまだまだファシリテーションと出会って3年目ですけれど一生のテーマかなと思っていますね。まだまだ学ぶことも体験することもたくさんあって、ゴールが無いところがおもしろいです。これからもよろしくお願いします。

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