第9回『NGOのチームビルディング(1)チームビルディングとの出会い』
2015年07月30日
今回の対談相手は、渡邉清孝さんです。
チームビルディングジャパンでは、2013年より、[市民ネットワーク for TICAD (Afri-Can)]のチームビルディング、継続的な組織づくりに関わらせていただいています。
市民ネットワーク for TICAD (Afri-Can)とは、アフリカ開発会議(TICAD)が真にアフリカの市民に役立つものとなることをめざし、アフリカの市民社会と共に政策提言を行っている市民社会ネットワークです。現在、日本のNGO23団体が参加しています。
http://afri-can-ticad.org/
渡邉さんはこのネットワーク組織の設立にあたってイニシアチブをとって来られた方で、ハンガー・フリー・ワールドというNGOの事務局長をしていらっしゃいます。ハンガー・フリー・ワールドは飢餓のない世界を創るために活動する国際協力NGOです。(詳しくはホームページをご参照ください)
http://www.hungerfree.net/
今回はAfri-Canのチームビルディング、組織づくりに継続的に関わり続けている河村と、この市民社会ネットワーク設立のために尽力されてきた渡邉さんとの対談です。
◆(じんさん)
こんにちは。よろしくお願いします。
渡邉さんと最初にお会いしたのはTICAD5が終わった2013年の夏でしたね。
それから市民ネットワーク for TICADの設立準備委員会でデロイトさんと一緒にこのネットワーク組織のミッション、ビジョンなどを作って行ったり、定例会のファシリテーションや正式に発足してからのチームビルディング合宿などで一緒にお仕事させていただきました。
そもそも、渡邉さんはどうしてチームビルディングに興味を持たれたのですか?
◇(渡邉さん)
2002-04年からチームビルディングという言葉は気になっていました。
といいますのも、ハンガー・フリー・ワールドでは、
2002年に理事会と事務局の対立、2004年に元活動国での横領事件が起こりました。
問題への対応。これが本当に大変だった。
公共のために働いている人たちなのに、なぜ合理的でない行動(対立・横領)が起こるんだろうと考え。、
3年ほど組織の意識決定論、心理学、脳科学等について勉強しました。
勉強する中でわかったことは、相田みつさんの代表的な言葉、「にんげんだもの」でした。
人は合理的な判断ができない生き物である、ということでした。
2008年に、アフリカの開発に関する国際会議、TICADに関わるようになりました。
アフリカや日本の多くのNGOがチームとなって、政府に対してアドボカシー(※1)をするのですが、政府にうまく伝わっていないもどかしさを感じていました。
(※1 アドボカシー活動とは、市民の目線から政策提言を行うこと。様々な社会問題を解決するために世論を喚起し、政府に新しい政策や政策の変化を提示する活動です)
5年後の2013年TICADの際には、チーム内で起こっている多くの葛藤を感じました。
アドボカシーのチームには優秀なメンバーがたくさんいます。
しかし、まるで映画の「アベンジャーズ」のような状態でした。一人ひとりの能力は高いが自分のやりたいことばかり。チームとしてのまとまりが全くありませんでした。
この状況をどうにかしいたいと思い、いくつかのチームビルディングに関わる企業の情報収集を進める中で、
チームビルディングジャパンさんのホームページで
「心が動くとチームが動く」という言葉を目にし、「今、チームに必要な要素がこれだ」と思い、御社の協力を仰ぎたいと思いました。
◆(じんさん)
それで連絡をくださった。
あの頃は五反田にあったうちのオフィスにも説明に来てくださいましたね。
◇(渡邉さん)
はい。プロボノを受け入れてもらえるだろうか・・・・・・、
規模の大きい仕事を受け入れることができる会社だろうか・・・・・・。
そんな不安を抱えてチームビルディングジャパンさんのオフィスを訪ねました。
当日はチームビルディングジャパンのスタッフが5人ぐらい集まってくれて、しっかりと話を聞いていただきました。2週間後「お引き受けします」という回答を得られて、ホッとしたのを覚えています。
じんさんにお伺いしたいのですが、あの時どうして引き受けることにしてくれたのですか。
◆(じんさん)
おもしろそうだったし、なにより渡邉さんのパッションをとても感じたからです。
成し遂げたいものがあり、それを実現したいと強く思っている。
それに、チームビルディングジャパンのやっていることや考え方をわかってくださっていて、その上で一緒にやろうと言ってくれていると感じました。
◇(渡邉さん)
なるほど。そうでしたか。