第52回『大企業が時代に取り残される理由…あなたの会社は大丈夫?』
2025年03月04日
変化の時代に適応する組織づくり
組織づくりに関わる仕事をしていると、「どのような組織を作るのか」という問いがとても大切になります。組織の形や考え方によって、そこに関わる人々の働き方や、社会に対する影響が大きく変わるからです。
私たちチームビルディングジャパンが目指す組織づくりは、変化の激しい現代社会の中で、どのように適応し、成長し続けられるかを大切にしています。時代の流れが速く、先の予測が難しい状況では、柔軟に対応できる組織であることが重要です。
このような組織の考え方は、決して新しいものではありません。実は、1960年代からすでに「環境の変化に適応するために、どのような組織が最適なのか」という研究が進められてきました。その中で特に注目されているのが、「機械的組織」と「有機的組織」の二つの形態です。
機械的組織と有機的組織
機械的組織、明確な階層構造があり、上からの指示を間違いなく行うことを重視します。一人ひとりが決められた役割を正確に果たし、全体が一つの大きな機械のように動く組織のことです。工場の生産の流れのように、各自が決められた業務を正確にこなすことで、安定した成果を生み出します。

この仕組みは、たくさんの人が同じ品質で仕事することが求められる場面で特に有効です。例えば、物を作る仕事のように、一つひとつの作業を正確に繰り返すことが重要な業種では、機械的組織の形が非常に適しています。また、組織の指示系統が明確であり、指示を出せば、それに沿った結果が出るため、まとまりがとりやすいという特徴もあります。
しかし、変化の激しい時代には、このような機械的組織では対応しきれない場面も増えてきました。市場や技術が急激に変化し、新しい価値を生み出すことが求められる環境では、柔軟性のある組織が必要になります。
そこで注目されるのが「有機的組織」です。
有機的組織は、動植物のように環境の変化に適応しながら成長していく組織です。人と人とがつながり、知識や経験を共有しながら、新しいものを生み出していきます。まるで遺伝子と遺伝子がかけ合わさって進化していくしくみのように、組織の中で新しい価値を生み出し続けることができるのです。
このような組織では、役割という部品に人を当てはめるのではなく、そのときの状況や目標に応じて、柔軟に役割も変えていきます。例えば、新しい仕事が始まるたびに、それにふさわしい人が集まり、協力しながら進めるといった働き方が出来るようになります。
変化の時代に必要な組織のあり方
私たちが生きる現代社会では、これまでの考え方が大きく変わりつつあります。たとえば、かつては「全員が会社に集まって働くこと」が当たり前でしたが、今では「全員が集まれない環境でも仕事を進めなければならない」という状況が生まれています。
また、技術の進歩も目覚ましく、新しい技術が次々と登場し、私たちの働き方や業務の進め方にも大きな影響を与えています。以前は3か月かかっていた作業が、わずか30分で終わるような劇的な変化も起こっています。
こうした環境の中では、これまでの機械のような組織の考え方では対応が難しくなってきています。変化に柔軟に適応し、組織の中で新しい考えを生み出しながら成長していくことが求められています。
私たちは、このような時代にふさわしい有機的な組織」づくりを支援しています。環境の変化に柔軟に対応しながら、新しい価値を生み出していく。そんな組織が、これからの社会に必要とされるのではないでしょうか。
未来を見据えながら、変化に適応しやすい組織づくりを進めていくことが、私たちチームビルディングジャパンの目指す姿です。