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第51回『“普通”なんて存在しない?DISC分析で理解するチームの多様性』

2025年02月25日

「ダイバーシティ&インクルージョン/ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(以下、D&I/DEI)」がチームにどのような影響を与えるのかについてお伝えしてきていますが、
第449回の「チームの社会科」では、アメリカでD&I/DEI推進を取りやめる動きがあることについてお話ししました。
今回のテーマは、多様性(違い)についての理解を深めるために役立つ「DISC分析」についてです。

多様性とは何か?表面的にわかりやすい違いだけではない本質

多様性と聞くと、ジェンダーや人種、障害といった分かりやすい違いを思い浮かべるかもしれません。しかし、実は一見同じように見える人たちも、それぞれ異なる見方や価値観を持っています。これらの何気ない日常の中に存在する違いを受け入れることこそが、D&I/DEIを活かす第一歩です。
「同じものを見ても、その意味をどう捉えるかは人によって違う」。この当たり前のようでいて、実は簡単ではない事実を理解することが重要です。なぜなら、異なる視点を尊重し合うことで、チームはより大きな気づきと学びを得られるからです。

アメリカでのD&I/DEI推進の課題と学び

行き過ぎたD&I/DEI施策は逆差別的になり、問題視されることもあります。数値目標を達成するためだけの施策は害があることもあるのです。本質的には、組織が日常のコミュニケーションや制度を見直し、「誰もが自分らしさを損なわずに働ける」「個性を発揮できる」環境をつくることが求められています。
そのために必要なのは、人によって全く当たり前が違うという事を理解することです。今回は、その理解を深めるために「DISC分析」をご紹介します。

DISC分析とは?

ウィリアム・M・マーストンによって考案された理論に基づいた個人の行動特性分析です。このモデルは、私たちが考える「違い」を理解し、尊重し合うための有益な視点を提供してくれます。


DISCは、次の2つの軸で人の行動特性を四象限に分類します。
論理・タスク志向か人志向か
受動的か能動的か

この組み合わせにより、個人の行動傾向を以下のように分類できます。


論理・タスク志向 × 能動的
課題解決志向。効率的な方法を探し、改善意欲が高い。

人志向 × 能動的
社交的で影響力があり、積極的に他者を巻き込む。

人志向 × 受動的
協調的で思慮深く、人との関係性を大切にする。

論理・タスク志向 × 受動的
計画的で慎重。リスク回避を重視し、分析力に優れる。

同じものを見てもその意味が全く違う

例えば、近所に新しい飲食店がオープンし、その前に行列ができていたとします。このとき、それぞれの特性はどのように表れるでしょうか?


課題解決志向(論理・タスク志向 × 能動的)
「こんなに並ばせるなんてオペレーションが悪い。自分ならもっと効率的に回転率を上げられるのに。」

社交型(人志向 × 能動的)
「こんなに並んでいるなんてすごい!これは話題になりそう!すぐに行ってSNSでシェアしよう!」

協調型(人志向 × 受動的)
「人気店なんだね。○○さんもきっとこんなお店好きだろうな。今度誘って一緒に行ってみよう。」

分析型(論理・タスク志向 × 受動的)
「行列は時間の無駄。行くとしたらランチタイムはずらして行こう。」


このように、同じ状況でも人によって捉え方や行動が全く異なります。特に自分とは対極にある特性を持つ人の行動などは全く理解できず、イライラすることもあるでしょう。

「違い」を尊重し合おうと言うことは簡単でも、多くの場面で「違い」は対立をも生んでいます。お互いの当たり前すら違う相手がいるということをまずは受け入れることが大切です。そして「違う」相手を分からせてやろうとする必要もありません。むしろ違いから学び合い、新しい視座を手に入れることが出来れば、「違い」つまり多様性を前向きな力に変えることが出来ます。

DISC分析を組織づくりに活かす

マーストン・モデルをもとにした特性診断ツール「DISC」は、チーム内での多様な見方を理解し、メンバー一人ひとりの強みを活かすために非常に有効です。チームビルディングジャパンでも、このツールを活用したプログラムを提供しています。
▼より詳しく知りたい方はこちら: DISCチームビルディング
https://www.teambuildingjapan.com/program/disc-teambuilding

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組織は変われる!チームづくり資料DL
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