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第50回『リモート難民を“出社義務化”で救えるのか?オフサイトミーティングが変える働き方の新常識』

2025年02月04日

リモートワークが拡大した背景

新型コロナウイルスの影響でリモートワークが急速に普及し、働く場所や時間の自由度がこれまでにないほど高まりました。社会全体でも多様性を尊重する流れが加速し、「どこで・いつ働くか」を個々が選択しやすい時代になってきています。

出社義務化によるジレンマ

一方で、フルリモートだった企業が出社義務化に切り替え、再びオフィスへと戻る動きも増えているようです。その理由としては、リモート下で対面のコミュニケーションが減った結果、人とのつながりが弱まり、企業のパフォーマンスが低下したと感じるケースがあるためです。

しかし、採用や離職率の面から見ると、リモート勤務を希望する人が増えてきているのも事実です。出社を条件づけることで優秀な人材が採用を敬遠したり、既存の社員が離職につながったりするリスクが高まるなど、企業は「つながりを取り戻したい」という思いと「リモートを望む声」への対応のはざまで、ジレンマに陥っている状況にあります。

多様性を活かすための試行錯誤

コロナ後の社会は、変化のスピードが依然として速く、先行きの見通しが立ちにくいのが現状です。こうした不確実な時代だからこそ、多様な人たちが多様な視点を出し合い、イノベーションを生み出すための「働き方の自由度」は引き続き大切だと考えられています。

では「出社義務化で対面を重視する」のと「リモートによる自由な働き方を追求する」の、どちらが正解なのでしょうか。実は、この両方のメリットをうまく取り入れる方法として、近年注目を集めているのが“オフサイトミーティング”です。

オフサイトミーティングとは

オフサイトミーティングとは、日常的なオフィスや自宅を離れた“非日常”の環境で行うミーティングのことです。海外では以前から盛んに実施されており、日本でも外資系企業を中心に取り入れられていましたが、コロナ禍で一時中断されていました。
リモート環境で希薄になっていた人と人とのつながりを補うために、今後は再び積極的に導入する動きが高まるといわれています。

オフサイトミーティングに期待される効果

  • つながりが深まる
    部署やチームを越えたコラボレーションが約24%増加したとのデータもあり、終了後2年間にわたって関係性が継続するケースが見られます。
  • 企業文化が浸透しやすくなる
    「組織の人を大切にしている」というメッセージが伝わり、オフサイトミーティングに参加した人はもちろん、参加できなかった人にも関係性を重視する風土が広がる傾向があります。
  • パフォーマンスの向上や新たな売り上げ増加
    オフサイトミーティングを行うことで、チームの結束が強まり、結果として企業の業績が伸びる可能性があります。

社員旅行との違い

オフサイトミーティングは、ただの社員旅行やレクリエーションとは異なり、「非日常の環境で高い視座のテーマをじっくり話し合う」ことがポイントです。たとえば、

  • 「私たちは社会にどのような価値を提供しているのか」
  • 「私たちの存在意義はどこにあるのか」
    といった大きなビジョンや理念を自由に議論します。いつもとは違う環境に身を置くことで、普段気づけない視点が得られたり、新しいアイデアが生まれたりするのです。それらをチーム全員で共有し合うことで、「同じ方向を見つめているんだ」という安心感やつながりが強化されていきます。

ファシリテーションの重要性

オフサイトミーティングを効果的に活かすためには、ファシリテーターを立て、フラットな対話の場をつくることが大切です。発言の順番を固定せず、誰もが率直な意見を言いやすい安全な場づくりを心がけることにより、組織が本来持っている潜在力を引き出せます。社内に適切な人材を見つけることが難しい場合には、外部の専門家に依頼することを検討してもよいかもしれません。

「オフサイトミーティング」活用しないともったいない

コロナによって普及したリモートワークには多くのメリットがありますが、単純に出社を義務化するだけでは、その自由度を失いかねません。一方で、リモートに依存しすぎると、チームの一体感が損なわれやすいという問題も生じます。

そこで、オフィスに戻るのかリモートを続けるのかといった二択ではなく、オフサイトミーティングを取り入れるという第三の選択肢を検討してはいかがでしょうか。非日常空間で深いテーマを共有し合うことで、組織内の関係性がより強固になり、その結果、企業全体のパフォーマンス向上にもつながります。これからの時代は、多様な働き方を柔軟に組み合わせながら、人と人とのつながりをいかに高め、イノベーションを生み出していくかが勝負の鍵を握りそうです。

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組織は変われる!チームづくり資料DL
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