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第43回『なぜ、うちの会社でイノベーションが起きないのか?―隠された”見えない壁”の正体』

2024年10月31日

「なぜ、うちの会社ではイノベーションが起こらないのか?」

ある大手企業の管理職が、研修で漏らした一言です。新しい技術を導入し、若手社員に発想法を学ばせ、成功事例の勉強会を繰り返しても、なかなか結果が出ない。彼は、「どこかに魔法のスイッチがあるはずだ」と信じ、イノベーションを起こすための方法を探し続けていました。

しかし、本当にスイッチを押すだけでイノベーションが起きるのでしょうか? 多くの企業が、同じような悩みを抱えています。「何が足りないのか?」と問い続ける彼らが見落としているのは、実は「組織の文化」なのかもしれません。

イノベーションの芽を摘む組織の「見えない壁」

「イノベーションの必要性」は、今や多くの企業が直面している課題です。技術の進化や社会の変化により、従来のビジネスモデルでは立ち行かなくなっています。しかし、イノベーションが求められているのは、単なるトレンドではありません。むしろ、生き残りをかけた必然です。

それにもかかわらず、多くの企業がイノベーションの実現に苦しんでいます。それは、単に技術や知識の問題ではなく、組織の中に「見えない壁」があるからです。例えば、古い体質の企業では、文化的に閉鎖的で異なる価値観を受け入れにくいことがよくあります。こうした閉鎖的な組織文化が、イノベーションの芽を摘み取ってしまうのです。

組織文化が「イノベーションの温床」になる

「イノベーションが起きる組織」とは、どのような特徴を持つのでしょうか? 答えはシンプルでありながらも難しいものです。それは、「多様な価値観を受け入れ合う文化」です。異なるアイデアやバックグラウンドを持つ人々が協力し合うことで、新たな視点が生まれ、イノベーションが促進されるのです。

一方で、論理的で根拠をデータで示す力が高く評価される一方、他の力を軽視してしまう企業も少なくありません。特に、人を元気づけたり、人と人を繋げる力を持つ人が評価されない文化では、イノベーションの実現が難しくなります。企業が本当にイノベーションを促進したいのであれば、多様な力を持つ人々を尊重し合うことが大切です。

「ありがとう」の習慣で組織文化を変える

ある病院では、多様な職種の人々が働いています。医師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフなど、異なる専門性を持つ人々が一つのチームとして連携するために、彼らはお互いに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝え合う文化を持っています。例えば、治療の引き継ぎや、患者の情報共有の際に、「先日は助かりました」「ありがとうございます」と感謝を表現します。

この「ありがとう」の文化は、単なるマナーの問題ではなく、違う職種同士の信頼と連携を築く重要な要素です。そして、こうした文化があることで、異なる専門性を持つ人々が一体となり、患者に対して最善のケアを提供することができるのです。

違いを受け入れることが、イノベーションの第一歩

組織がイノベーションを起こすためには、まずは多様な価値観を受け入れることが必要です。そして、その第一歩は、日常の中でお互いに対する感謝を伝えることから始まります。スピード感を持ってイノベーションを求めることも重要ですが、まずは組織の土台となる文化を整えることが、長期的なイノベーションの成功につながるのです。

イノベーションのカギは「文化」にあり

イノベーションは、単なる技術や発想法では生まれません。大切なのは、その技術やアイデアを受け入れ、育てることができる組織文化です。異なる価値観や視点を持つ人々を受け入れ、尊重し合うことが、イノベーションの芽を育むための最も重要な要素なのです。もしも、あなたの会社が「なぜイノベーションが起きないのか?」と悩んでいるならば、まずは組織文化を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか?

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