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第34回『最新レポートの衝撃!134年もかかるジェンダー平等の実現』

2024年06月27日

最新の「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート2024」によると、世界のジェンダー平等の実現にはなんと134年もかかるとのことです。世界経済フォーラム(WEF)が発表したこのレポートは、日本の順位が146か国中118位という低さを示しており、多くの人々にとって衝撃的な現実を明らかにしています。

このレポートは、各国の男女間の格差を医療、教育、経済、政治の4つの主要分野で測定しています。特に、日本は医療と教育の分野で高い評価を受けていますが、経済と政治の分野では著しく低い評価を受けています。これは、職場環境や政治の場で女性が活躍する機会が少ないことを示しています。上位にランクインしている国々では、女性が首相などとしてリーダーシップを発揮している事例が多く見られます。

なぜこのレポートに注目するのか

チームのパフォーマンスを向上させ、より良いチームや社会を作るためには、多様性が重要です。その入り口であるジェンダーギャップですらまだまだ平等にはほど遠いのが現状なのです。チームビルディング/組織作りを推進するうえで、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I、DEI)は欠かせない要素。各種研究でも未知の課題の解決に有効であるという結果が示されています。

日本社会全体の変化を促進するために、この問題に取り組む必要性を感じています。いま、うまく回っているように思えても社会は急激に変化しています。現在の状況にとどまることなく、積極的に変化し続けることが求められます。ジェンダーギャップの改善は、日本社会がより包括的で公平な社会になるための第一歩です。

2024年レポートが示す驚愕の現実

2024年のグローバル・ジェンダーギャップ・レポートでは、日本に限らず、世界全体でジェンダーギャップの改善が鈍化していることが指摘されています。このままのペースでは、完全な平等に達するには5世代、134年かかるとされています。特にアジアパシフィック地域では、中南米などの他の地域に比べて改善に時間がかかると予測されています。

2024年度の日本のランキングは146か国中118位。特に、経済と政治の分野での低評価が日本の順位を押し下げています。職場環境や政治の場で女性がリーダーシップを発揮する機会が少ない現状は、ジェンダーギャップの根深い問題を反映しています。

また、STEM(科学、技術、工学、数学)分野における女性の活躍が少ないことも指摘されています。女性がこの分野で活躍することが難しい現状は、教育やキャリアの選択肢において男女間の格差が依然として存在することを示しています。これは、基本的な不平等をなくしたうえで、男女や様々な違いに関わらず、誰もがより自由な働き方が選択できる社会を作っていくことで実現していく必要があります。

日本企業のジェンダーギャップの現状

企業内での女性に対する不平等やハラスメントは、まだまだ根深く残っています。このような状況は、働く場の環境を悪化させ、誰もが自由に能力を発揮する機会を制限します。企業が女性管理職の割合を上げる取り組みを進めていいますが、まだ数字合わせにとどまっている組織も多くあります。誰もがその人らしく働き、能力を発揮できる環境を作ることなどによって数字が改善するのであって、数値目標だけを達成しても逆に理想からはかけ離れていくでしょう。

働く場所と時間の自由度はこの10年ほどで大きく高まってきました。共働きやリモートワーク、サテライトオフィスなどの働き方が普及し、自分らしい生活に合わせて働けるようになってきており、出産や育児をしながらでも働きやすい環境が整備されつつあります。男性だから女性だから、マイノリティだからということではなく、組織が誰でもその人らしく働ける環境を作ることが、結果的に女性管理職比率を高めることにつながります。これにより、女性が出産や育児をしながらでもキャリアを続けることができ、社会全体の多様性が向上します。

チームビルディングの観点から見る多様性の重要性

ジェンダーギャップに限らず、多様性を拡げていくことが必要です。全ての人は平等であるという前提に立ち、多様性が組織のパフォーマンスを向上させることは確かです。多様な背景を持つ人々が集まることで、さまざまな視点から問題を解決することができ、組織全体のイノベーションが促進されます。

未知の課題に取り組む際には、多様な視点が必要です。特に、女性に多い社会的感受性の高さは、チームのコミュニケーションや協力を促進し、より効果的な問題解決を可能にします。ジェンダーギャップを解消し、多様性を受け入れることは、組織のパフォーマンスを向上させるための重要なステップです。

未来に向けたジェンダーギャップ解消の第一歩

自分の組織の実情に対して違和感を抱かないことは問題です。このグローバル・ジェンダーギャップ・レポートを通じて、現状をより多くの人に知ってもらいたいと思います。特にピラミッド型組織では、直属の上司の判断にばかり目が向いてしまう傾向があります。外部の情報に触れ、自分たちの当たり前が当たり前ではないことを知り、もしも今は組織を変える力はないとしても、まずは現状を知り、気づいてほしいのです。

ジェンダーギャップの問題は、個々の企業や組織だけでなく、社会に属する私たち一人ひとりが取り組むべき課題です。多様性を尊重し、包括的な社会を実現するための取り組みを進めることが求められています。このレポートを通じて、多くの人々が現状を認識し、変革に向けた第一歩を踏み出すことを期待します。

Global Gender Gap Report 2024
https://jp.weforum.org/publications/global-gender-gap-report-2024/in-full/

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