第100回『チームビルディングはたった一人のあり方から始まる』
2011年05月26日
チームビルディングとは仲間が思いを一つにして、一つのゴールへ向かって進んで行ける組織づくりの事。その要はゴールの共有で、ゴールがなければチームは存在し得ません。しかし、どんなに高潔な目的/ゴールを共有し、前へ向かっているかに見えてもその背景にあるメンバーひとりひとりのあり方が伴っていないと、本当の意味でゴールを共有することができません。
結束してゴールへ向かうプロセスの中でメンバーのあり方は磨かれて行き、また逆にあり方を備えたメンバーによってチームは成長してゆきます。更に突き詰めて考えると、チームのすべてはたった一人のメンバーのあり方にすべて委ねられています。その一人とは他の誰でもないあなた自身です。あなた一人のあり方から全ては始まります。
誰もが知っているように、誰一人として他の人物に代わって感じたり考えたりすることはできません。他人はコントロールできませんが、あなたの感じ方、考え方はあなた次第で如何様にもなります。だから全てはあなたのあり方から始まるのです。他の誰でもありません。
もちろん、ゴールへ向かって前進していれば壁にぶつかったり、迷ったりした時に誰か他の人のせいにしたくなることもあると思います。そんな時に一時的に誰かに愚痴を言ったり、他人のせいにしたりすることもあるでしょう。それはあなたの弱さですが、弱さを常に隠し続ける必要はありません。自分の弱さを弱さであると認識したうえで、それを見せる強さも必要です。
そしてまた自分で責任を奪い返し、自分の周りすべてに影響を与える自分のあり方を整えます。
ではそれはどのようなあり方かと言うと
「Love & Respect」
と表現されるあり方です。
- まずチームにとって大事な事、その目的や目標をメンバー全員で共有する。
この中には色々な要素が含まれています。・相手を受け入れる。
・自分のエゴを押し付けない。 - チームの中での個人の思いや目標をあげる。
・相手と自分は平等である。
・敬意をもって接する。
・自分の心を開く。 - 個人の目標がどのようにチームの目的や目標にかなっているのか?を関連づけて説明する。
・自分の行動やあり方の源泉に目を向ける。
・相手の行動やあり方の源泉に目を向ける。
等々・・・とても中立的でこれ自体に何かの意味があるようには見えないかもしれません。しかし、これが非常に重要なのです。チームが本気で前に進む時にはチームの多様性を全て活かさなくてはなりません。そして多様性を活かすためにはまったく違った視点の意見のぶつかり合いや、人の意見や考えを差し置いても決断して前に進まなければならない場面が多々あります。
チームで乗り越えて行く荒波は過酷なものです。「Love & Respect」のあり方を手放さずに持ち続けていないと、この荒波に振り落とされてしまいます。言わばライフジャケットのようなものです。これがなければ一緒に船を漕ぐ仲間も次々に振り落とされ、誰も居ない船に一人残される事になるでしょう。自分の周りのメンバーが「Love & Respect」のあり方を持っていなくとも嘆く必要はありません。あなたさえこのあり方を手放さずに育てて行けば、それは周りに伝播し、同じあり方の仲間が集まるはずです。
どんな荒波が来ても笑顔で乗り越えられるような「Love & Respect」をもって前に進んで行けるチームはたった一人のあり方から始まります。