第93回『チームを動かしたい!でも動かない!』
2011年02月17日
チームを動かすためにあの手この手で頑張ってみてもなかなか動いてくれない。主体性を持ってもらうために押しつけの指示はしたくない。でも主体的に動いてもらいやすいようにサポートしているつもりが、待っていても思う様に動いてくれない。
そんな悩みも良く聞きます。「そもそも自分はリーダーに向いていないのかもしれない」とあきらめる前に出来ることを考えてみませんか?
まず大事なことは、人はあなたの思う通りには動いてくれないということです。人があなたから影響を受けることはもちろんありますが、人の考えをコントロールすることは出来ないのです。
その前提に立った上で、人が影響を受ける2つのアプローチについて考えてみましょう。
ひとつは「明確な指示を受けて動く」
そしてもうひとつは「自分で考えて主体的に動く」です。
たとえば、単純労働では人は明確な指示を受けて動いています。確固たる知識や経験に基づいて進むべき道を示してもらうことで人は動ける状態になります。「こうすればこうなる」と示してもらうことで人は安心するのです。
ところが、全ての物事において単純な指示で動けるわけではありません。自分で考えて主体的に動くことが求められる場面が多くあります。こういう場面では仕事のやりがいがベースとなり、自分がどのように全体に貢献しているのかが重要となります。
多くの場合に、どちらか一方と言うよりは、この両方のアプローチを組み合わせて動いているはずです。
難しいのは、「自分で考えて主体的に動く」ということを相手に直接的には促す事が出来ないということです。一生懸命押しても動かない。引いても動いてくれません。かと言って黙って待っていても動きません。
ではどうすれば良いのかと言うと、簡単には以下の4つのステップに沿って取り組むことが出来ます。
1) 一定のルールの範疇で自由に動ける場を作る。
メンバーの主体的な意思でゴールへ向かうプロセスを生み出せる状態。何がOKで何がOKではないのか?のルールを明確に示すことで安心できる場となります。その中で、メンバーの主体的な判断、行動を歓迎します。
2) ビジョンを示す。
実現したいこと、その状態を相手に伝わるように伝えます。やり方を示すのではなく、どこへ向かうのかを示します。相手がその状態を思い描き、共感できる状態を目指します。
3) 一緒にやろうと促す。
メンバーの力がビジョンの実現に貢献できることを伝え、行動を促す。 リーダーの弱いところを助けてほしいと頼むことも時には必要です。またある時は具体的な行動を示して背中を押してあげることも必要です。
4)リーダーが最後は責任を負う事を示す。
メンバーにまる投げして、自分で責任を負おうとしないリーダーにはだれもついて来ません。リーダーはプロセスにではなく、結果に責任を負います。
メンバーが責任を負おうとしている時に奪い取らないこともとても大事です。
どうしていいのか分からなくなった時、この4つのステップを一つ一つ見直し、確認してみてください。何か改善できるところがあればそこから手をつけてみてください。その結果はそう簡単には出ませんが、必ず良い方向へ向かうはずです。