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第87回『メンバーの主体性を高めるための秘訣 』

2010年11月25日

チームづくりレシピ

お客様から受けるご相談で「もっと主体的に考え、行動できる社員になってほしい」という悩みを良く聞きます。組織作りでメンバーが主体的である事は必須です。そして主体的ではない人を主体的に変えようとするのは大変骨の折れる仕事です。しかし、主体的なメンバーを育てるために誰にでもできる秘訣があります。

良くある傾向は主体的ではない部下を持つ上司はトップダウン型である事が多いという事です。部下が主体的に考え、行動しないから上司がトップダウンになるのか、上司がトップダウンだから部下が主体的ではなくなるのか、どちらもあることで、卵が先か鶏が先かというのが実際のところです。しかし、チームビルディングを考える上では常に自分を主体に考えます。つまり、あなたが上司であれば自分の行動が原因で部下の主体性を奪っている事は無いか?と考えます。(自分が部下の立場であればもちろん逆です。上司の愚痴を言う前に自分の考え方や行動で良い変化を生み出す事を考えます。)

リーダーが常にトップダウンで、自分のやり方で部下を従わせようとしているとメンバーは「どうせ自分が言っても否定される。リーダーのやり方に合わせさせられる」と考えてしまいます。ここがポイントです。メンバーに「自分の主体的な考えや行動は否定される」と思わせるのではなく、「自分の主体的な考えや行動は歓迎される」と思ってもらうのです。

メンバーが「主体的ではない」といっても、全ての場面において主体的ではないという事はまずありません。主体的なところもあればそうでないところもあります。リーダーはメンバーの主体的な考えや行動を拾い上げることで、主体性を歓迎することができます。優れた上司はこれが癖になっていて、ごく自然に行っています。
これだけですととても簡単かのようですが、実際はそう簡単には行きません。難しいのは「主体的な行動であれば何でも良いのか?」というとそうではないという事です。その考え方や行動が組織にとって良い影響、結果をもたらすものでなければなりません。部下の主体的な行動や考えが否定される時はそこの食い違いがある時です。つまり、部下は主体的に良かれと思って行動しているものの、上司から見た場合にそれが組織にとって良い結果をもたらさないとき、上司は部下を改めさせなければなりません。ここで上司ができる事は主体性は歓迎したうえで自分の認識をつたえるという事です。もちろんスピードを優先してそんなことはかまっていられない時もあるでしょう。それでもこれを理解した上でのトップダウンか、理解しないでのトップダウンかで長期的な結果は変わって来ます。

リーダーがメンバーの主体性を高めるために、自身を主体としてできること
・メンバーの主体性を奪わない。否定しない。
・メンバーの主体的な考え、行動を拾い上げる。

リーダーがメンバーの主体性を高めるためには、メンバーを変えようとするのではなく、まず自分自身を主体として自分の考え方、行動を変えることです。
もちろんそれは部下に迎合することではありません。部下の悪いところを部下のせいにするのではなく、自分の責任として背負うという事です。

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