第76回『自分の自由は自分の責任で選択する』
2010年06月24日
組織の中で仕事をしていれば、思うように行かない事もたくさんあります。「全力で提案した企画が相手の理不尽な都合で却下されてしまった」「電車が止まって大事な約束に遅れてしまった」など、自分のコントロールの範囲外で起こる事は多々あります。組織のルールに縛られて、自由に仕事をさせてもらえないという事も多々あります。
しかし、どんな場面でも「自分で選択をする」ということで、そこにある事実の捉え方が変わります。単なる心の持ち方といった精神論ではなく、選択肢を増やす事で実際に自分の意思で自由に選択できるようになります。
組織の不自由さに甘える事なく、責任を持って自由を選択することで組織全体にも良い影響をもたらす事が出来ます。
まわりから見るとルールや責任によってあまり自由にはできそうにないのに本人は「自由にやりたいようにやってきた」という人もいます。そういう人たちは一見不自由に見える環境や、選択肢がないような状況でも常に自分の意志で選択をしています。自分の意思で選択するから自由なのです。自分の自由にならないような時に自由に選択するために必要な事は、まずその選択肢を用意する事です。
選択肢を探らないと物事が自分のコントロール下になく、それをコントロールしている誰か他の人のせいかのように見えてしまいます。
たとえば、大事なアポイントメントの前に緊急の対応に追われていたら予定の出発時間を過ぎてしまったとします。予定していた電車で行っても間に合いません。そういう時には必死で色々な選択肢を探るはずです。
「まず時間に遅れずにたどり着くにはどんな方法があるか?」
「タクシーで行けば間に合うか?」
「道路が混んでいるならバイクを借りて行けば間に合う?」
「間に合わないとしたら早めに連絡をして時間の再設定をお願いしなければ」
などなど、他にももっと色々な選択肢があると思います。その選択肢を一瞬のうちに、おそらく数秒程度で考え、選択し、行動へ移しているはずです。自分で選ぶとはまさにそういう事です。「緊急の対応が入ったのが悪い」と愚痴を言っても、大事な約束に遅れそうだという事実は変わりません。どんな状況でも同じように選択肢を見つけることで自分で自由にその選択肢の中から選ぶ事が出来ます。
つまり、複数の選択肢を見つける事が出来るかどうかがその人が自由であるか、不自由であるかを決めることになります。自由であるか不自由であるかは周りの環境のせいではなく、その中でどれだけの選択肢を見つけられるかといった、本人の能力によるものなのです。
この対極にあるのが「他責」や「言い訳」といった考え方や行動です。それによって自由は失われます。しかし、多くの選択肢を見つけられるかどうかはその人の能力次第なので、自分の能力を超えた自由よりも自分で責任を負わなくて良い不自由を選ぶという選択はあり得ます。
一見不自由に見える中で自由を得るためのステップ
・まず事実を認識する。
・そこから最善の結果に至るための複数の選択肢を見つける。
・選択肢から自分の行動を選ぶ。
・自分の選んだ選択肢を行動に移す。
選択肢を見つける事で、不自由な環境にコントロールされるのではなく、自由な意志でコントロールすることができるようになります。