第72回『甘えることなく、頼り合えるチームを作る』
2010年04月28日
甘えた社員に悩まされる上司はたくさんいます。「教えてくれなければ出来ないのが当たり前だと思っている」「とりあえず会社に来ていれば給料をもらえるのが当たり前だと思っている」などなど、愚痴を言えばきりがありません。しかし、無責任な「甘え」を否定するつもりが、いざという時に「頼る」ということまでも否定しまう事が多々あります。
上司に頼る事を拒絶された部下は、上司を信じ頼る事ができません。いざという時に信頼できない上司、頼りがいのない上司になってしまいます。
無責任な甘えと、信頼に基づいて頼るという事はどのように違うのでしょうか?
チームでは上司、部下も関係なく、お互いに信頼しあい、背中を預けて頼り合う事ができます。信頼し合えないとチームとして機能しません。しかし、頼るという事は無責任な甘えとも非常に良く似ています。甘えたメンバーが居るとチームが崩れます。そのメンバーはチームで目指すべき成果に目を向けておらず、自分しか見えていないからです。
頼る事と甘えの大きな違いは「そこに責任があるか」です。
無責任な甘えは、人に責任を転嫁します。できない理由を言い訳し、自己を正当化するのです。しかし、信頼し、頼るという事は違います。その成果に責任を負っています。自分のキャパシティを超えた事、自分よりも他の人が行った方がチーム全体にとって良い効果をもたらす事などをその成果に対する責任を手放さないからこそ、より良い成果をあげるためにチームメンバーを信頼し、頼るのです。
そうした信頼はお互いに対する敬意があればこそ生まれてきます。
全員がきちんと責任を負い、自分たちのあるべき姿へ向かってベクトルを共有する事で「甘え」ではなくて信頼し、頼り合えるチームになって行きます。