第63回『すべてを独りで背負い込むリーダー』
2009年12月24日
チームビルディングジャパンのプログラムでは、多様な体験アクティビティを用いて、仕事の場で起こるような状況の疑似体験をします。
プログラム中によくある事例として、『チームが行き詰まった時にリーダーがすべてを背負い込んでしまう』ということがあります。リーダーはもちろんチーム全員の力を活かして、上げるべき成果を上げたいと思って頑張っているのですが、行き詰まってしまった時にはわかっていても一人で背負いきれないことを背負いこんでしまうという事があります。これと同じことは仕事の場でもたくさん起こっています。リーダーが一人で背負い込んでしまう状況を避けるためにはどのようなことができるでしょうか?
【原因】
リーダーがどのようにして一人で背負い込んでしまう罠にはまってしまうのかというと、それは「リーダーにしかできない」「リーダーにしか分からない」からです。特に責任感が強く、能力の高いリーダーは陥りがちです。
このような事態は、チームが行き詰った時にリーダーが全力でトラブルシューティングに動くことから始まります。それ自体はもちろん良いことです。しかし、行き詰まった時、リーダーを含めてだれもその解決策を持っていません。誰も解決策を持っていないけれど何とかして解決しなければならない壁に直面したときに、このようなことが起こります。
【症状】
メンバーが状況把握を出来なくなり、どのように動いていいのか分からなくなります。リーダーも理解できていないので、どうなっているのかをメンバーに伝える事ができません。
【解決方法】
リーダーが「この問題は自分の能力では解決できない」という事をメンバーと共有することがまず必要です。
具体的には
・ リーダーが何を見て、どうとらえているのかを共有する。
・ リーダーだけが知っていることをできる限り他のメンバーにも知ってもらう。
といった事があげられます。
何もリーダーが万能である必要はありません。リーダーが全てを解決する能力を持っていなくても良いのです。すべてのメンバーが見栄を張らずに、自分の弱みをも見せて行くことでチームは強くなりますが、これはそのチームを率いるリーダーにとっても同じこと。
自分が特別であるだとか、他のメンバーより優れているといった思い上がりを持たないこと。
むしろ自分より優れたメンバーをひとつにし、チームとしての成果を上げられるリーダーの方が結果として素晴らしいリーダーだと言えるでしょう。