第59回『しっかりと計画することと、計画に縛られないこと』
2009年10月29日
チームビルディングを実施する際に、当たり前ですが必ずプログラムを作ります。クライアント企業様の現状や目指す成果についてしっかりとお伺いしたうえで、プランします。しかし、このプログラムをご説明する際に必ず「このプログラムは現場で変える場合があるんです」とお伝えしています。
しっかりとプランしているのに、それを現場で変えてしまうのにはとても重要な理由があります。
事前にしっかりとお話を伺わせていただいてプランすることは欠かせません。似たケースはあっても、実際はそれぞれのクライアント様がそれぞれの事情でチームビルディングを必要としているからです。そして何よりも大事なのは担当者様の思いをしっかりと自分の中に浸透させて、その思いをプログラムに注入してゆくということ。そしてプログラムを立てることによって、それを実施する前に頭の中でリハーサルを行うことができます。実際に行う前に頭の中だけでもリハーサルを行わなければ、実施する際のクオリティは当然下がります。
そして「なぜしっかりと計画したことを、実施する際には変えてしまう場合があるのか?」といえば、それはその結果を大事にしているからです。結果が大事か?そこに至るための計画が大事か?といえばそれは当然結果が大事なはずです。日常の仕事をこなしているとつい目の前でなすべきこと、計画されたことにばかり集中してしまいがちですが、その計画どおりにこなすことに気を奪われて、めざすべき結果を忘れてしまっては本末転倒です。
チームビルディングジャパンのプログラムでは、参加者に行動と考え方の変化をもたらします。しかもその変化は一様ではありません。だからこそ常に変わり続ける参加者、チームに合わせて計画されたプログラムをつねに変化させてゆかなければなりません。これができないとプログラムを参加者に合わせるのではなく、参加者のほうがプログラムに合わせなければなりません。
そうなってしまうとプログラムは計画通りに実施できても、本来目指す成果はどこかへ消えてしまうのです。
これはチームビルディングプログラムに限らず、すべての組織活動に共通することです。事前にできうる計画をしっかりと立てる。しっかりと計画を立てたうえで、実施する際には計画に縛られず、目的からめを逸らさずに、臨機応変に最適な行動を判断する。
「しっかり計画」と「臨機応変な行動」の一見相反するような両方を大事にすることで、目指す成果に近づいてゆくことができるのです。