第44回『チームメンバーに変化があった時に』
2009年04月02日
組織のメンバーは同じメンバーが常に変わらず居るわけではなく、新しく入って来る人もいれば出て行く人もいます。企業の合併や部署の統合、分社化などもあり、常に変化しています。
このようなチームの変化があると色々な混乱が起こりがちです。組織のメンバーに変化があった時にはどのような事が起こり、どのように対応するべきなのでしょうか?
チームの発展段階を示すタックマンモデルでは、チームメンバーの変化があった時にはその段階をまたはじめからやり直しになると言われています。
チームメンバーの変化があった後に気をつけるべき点は、ストーミング期と呼ばれる混乱の時期が訪れることです。
今まである人がやっていた業務が新しいメンバーへ移譲されたり、自分の事を見てくれていたはずの上司が新人に付きっきりになってしまったりと、それまでの安定を覆すことが起こります。そういった中で自分の立場に対する不安や人間関係への不安や不信からメンバー同士の間で自己主張や他者否定などが起こり始めます。これまで仲の良かった先輩後輩の関係が険悪になる事もあるでしょう。表面に見える対立や自己主張であればまだましですが、言葉に出さずに水面下で新しい上司に対する不満が蓄積する事もあるでしょう。
これらのチームにとってマイナス要因となるような事が起こりやすい状態になります。
ここで重要なポイントは、この混乱の時期はチームがより良い状態になって行くためのステップの一つだという事です。混乱や衝突、不満などが起こるのはメンバーが一様でないがために起こります。メンバーが多様であるからこそ同じ事実に対しての違った見方があり、それが混乱を生みます。ある人が当たり前だと思っていたことがある人にとっては当たり前でなかったりすることもあるでしょう。
この多様性はチームが素晴らしい成果を上げるために欠かせない要素なのです。全員が同じでは全員の総和以上のものは生まれません。優れたチームはこの多様性を活用して全員の総和以上のものを生み出します。
【チームメンバーの変化があった時の心構え】
● 混乱はあって当たり前。次のステップへ進むために必要なものと捉える。
● 表面化していない不満は表面化させ、お互いがどのような立場でどのように考えているのかを発散し合う。
● 自分たちはどちらを向いているのか?何を目指しているのか?ベクトルの確認を頻繁に行う。