第37回『ファシリテーションとは?』
2008年12月25日
私たちがチームビルディングプログラムを実施する場合でも、日常の組織運営でも、ファシリテーションはとても重要な要素です。しかし、ファシリテーションは応用の範囲も広く、人によってその定義も様々です。
「ファシリテーションとは対立軸を明確にすることだ」
という人もいれば
「ファシリテーションとは笑顔を作ることだ」
「話し合いの結論を出すことだ」
など人によって違い、「そもそもファシリテーション自体定義するべきじゃない」といった意見も出てきます。そういった話し合い自体がとても有意義であり、「ファシリテーションって何だと思いますか?」といった問いを投げることもよくあります。
このようにさまざまな捉え方がある言葉ですが、私たちはファシリテーションを「人が集まる場のコミュニケーションの流れを作ること」と説明しています。
ファシリテーションそのものは必ずしも結論を出すことを目的としない場合もあります。しかし、結論を出すにしてもそうでないにしてもそのコミュニケーションの流れには積極的に関与します。流れからはずれた発言や行動があればそれをうまく元に戻したり、またはより自由なコミュニケーションを促す場合もあります。きちんと目的へ向かって真っすぐに進むよう堤防で固められたファシリテーションもあれば、より自然な流れに任せ、蛇行を繰り返させるようなファシリテーションもあります。最初は蛇行させながら、少しずつ堤防を固めていく方法もあります。
コミュニケーションの流れというものは、やはり流れ始めるまでが最初の難関です。呼び水となるような働きかけや場づくりはファシリテーターとして重要な役割となります。また傾向によりある程度の予測はできたとしても、流れ始めるまでどのように動くかはわかりません。このどのように動くか分からないコミュニケーションの流れを見ながら流れやすいようにしたり、向かうべき方向へ促したりといった働きかけを行うのがファシリテーションなのです。
コミュニケーションの流れを作るといった場合に、それは必ずしも言語によるコミュニケーションに限りません。それは音楽であったり、体を動かすコミュニケーションであったりすることもあります。
ファシリテーションとは、人が集まる場のコミュニケーションの流れを作ること。
組織作りを考える上で欠かせない要素です。