第36回『学びを机上で終わらせずに現実に活かす方法』
2008年12月11日
当社で行っているような体験学習を用いたチームビルディング研修では、体験をもとにしているので深く腑に落ちる学びが得られます。同じ事を座学で学ぶのに比べるとはるかに仕事の場での実践につながりやすくなっています。しかし、研修の場で腑に落ちた事と現実の仕事の場でそれを活かすことの間には隔たりがあります。一般的な座学の研修、本で読んだことなどもそうです。学んだからと言ってそのまま実践できるわけではありません。これを「研修の場での腑に落ちる学び」と「仕事の場での実践」との別のものとして分けて考える事で、より現実に活かしやすくなります。
「研修の場での学び」と「仕事の場での実践」をつなぐ仕組みとして有効なのが体験学習サイクルです。体験学習サイクルとは、「体験」⇒「体験を振り返る」⇒「体験の意味を考える」⇒「次の行動にどう反映させるかを考える」⇒・・・といったサイクルで、繰り返しこれを行って行きます。「何がうまく行って何がうまく行かなかったのか?」を考え、また「うまく行かなかったことはどう改善して行くのか?」を考える事で、改善を繰り返してゆくのです。体験学習サイクルの手法を用いても忘れがちで大事な要素は必ずしも改善案どおりにはうまく行かないということです。うまく行かなかったらまた「なぜそれがうまく行かなかったのか?」「自分たちで決めたとおりに行動できなかったのはなぜか?」などとさらに学習のサイクルを重ねてゆきます。
「研修の場での学び」と「仕事の場での実践」の間に隔たりがあるのは、仕事の場に学びを持って帰った時にこの体験学習サイクルが止まってしまうからです。この解決策としてお勧めしているのが「体験学習サイクルを仕事の場でも回し続ける」という方法です。研修の場で得た学びを仕事の場で実践してみて、「うまく行くのか行かないのか?」「もし行かないのであればその理由は何故か?」といったことを実際の仕事の場での実践を踏まえて考えてゆきます。そしてまた次の仕事の場への実践へと反映させてゆくのです。
このやり方は体験学習を用いたチームビルディング研修に限らず、本で学んだこと、人に教えてもらったことでもどんな学びでも応用できます。
単純化するとシンプルな2つの事の繰り返しです。
● 『行動すること』
● 『考えること』
● そしてまた次の行動へ・・・
繰り返し行動に移すこと、そしてそれについて考える事の繰り返しによって本当に現実の場で活きる学びとなって行くのです。