第35回『会社のためか?社会のためか?』
2008年11月27日
今の時代、企業の組織作りを考える上でその組織が社会にどのように貢献するかという事がとても重要になっています。チームビルディングで重要な組織の価値観の共有を進める上で、社会的価値観を取り入れる事が欠かせません。
「社会のためにやるべきこと/やりたいこと」「仕事のためにやるべきこと/やりたいこと」「自分のためにやるべきこと/やりたいこと」の3つが重なり合う事で個人にとって、企業にとって、そして社会にとって大きな価値を生み出します。企業の社会的責任(CSR)といっても単にボランティア活動や寄付をするというだけではなく、もっと有効に組織のために、またそこで働く社員のために活かすことができます。
社会起業家/企業家と呼ばれる人たちが増えているのも潮流の一つです。「世のため人のため」の事を事業として行う人達です。これまでの会社とNPOの違いが薄れてきて、世のため人のための活動を株式会社の形態で行ったり、NPOがただ善意に支えられて成り立っているだけの組織ではなく、ビジネスとして経営されるようになってきています。
また、社会のために良い事を行うにしても自己犠牲的でないスタイルが表れてきています。
こういった動きが「社会のため」「仕事のため」「自分のため」の重なりあいをより濃くしているのです。
自分のやりたい事を仕事として行うことで、その仕事に対する満足度は高まります。そしてそれがさらに社会のために役に立っているとしたら満足度はさらに高くなります。企業の役に立つ人間を企業は大事にしますし、また社会の役に立つ企業を社会は大事にします。
この「社会のため」「仕事のため」「自分のため」を合わせて行うことができるのが企業です。会社のためにやっている仕事が社会のためになり、かつ自分のためにもなっているという場を作り出す事ができます。「自分の時間を犠牲にして仕事をする」「会社の利益が上がったら社会に還元する」といった考え方ではなく、日常的に事業を行う事がそこで働く個人のためにも、社会のためにもなっている組織ではそこに集まるメンバーが高い価値を感じ、組織としての価値観やミッションを共有して前進して行く事ができるのです。