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第28回『チームのビジョンの使い方』

2008年08月21日

チームづくりレシピ

チーム/組織の掲げる「ビジョン」というものはその組織によって定義が違う場合があります。それはその組織の中での定義が統一されていて機能していれば問題の無いことですが、私たちがプログラムの中などで使うビジョンの定義があります。それは「組織の未来のあるべき姿」です。多くの場合、期日の指定も伴います。
組織のビジョンはとても有効なチームビルディングのツールですが、皆さんの組織ではどのような使われ方をしていますか?

組織の中期ビジョンなどは良く使われていると思います。数年後(5年後程度)に自分たちの組織がどのような状態にあるのか?またその組織活動の成果がどのように表れているのか?等を示しています。また、もっと身近に小さな単位のチームで1年後くらいの短い期間でのビジョンを掲げることも有効です。
現場で動く数人のチームを管理するマネージャーがチームを束ねるツールとして使う事ができます。そしてそのビジョンを実現するステップをメンバー全員でそれぞれの強みを活かして作って行くのです。

ビジョンはその組織がどこへ向かっているのかを示す旗印です。この旗印をメンバー全員で理解し、共有することがチームの必須要素です。チームの定義は「仲間が思いを一つにして一つのゴールへ向かって進んでゆける組織」。このチームが共有する一つのゴールというのがビジョンにあたります。

ビジョンそのものは経営幹部だけ、又は社長のトップダウンで作ります。ケースによってはメンバー全員がかかわってビジョンを作っていくことも可能ですが、組織がどこへ向かっているのかを指し示すのは最終的には経営者の仕事です。
大事なことはビジョンは理想像であるべきで、一緒にその達成を目指すメンバーがワクワクするようなものでなくてはなりません。しかし大衆受けを目指したビジョンでは意味がありません。そのビジョンに共感できるメンバーが集まる場にして行く事が必要です。
そして、そのビジョンをどのように達成して行くかは組織のメンバーがその権限を持ちます。明確なゴールを示すことは必要ですが、そこへ至る道筋を決める権限は実際に実行するメンバーが持ちます。どのようにワクワクするようなビジョンを達成して行くかの道筋を自分でコントロールして行けるというのは仕事に思いを込めて楽しむための大きな要素です。

また、マネージャーとしてはそれぞれのメンバーにとって、ハードルが高すぎないか、又は低すぎないかを気にかけ、調整する事が必要です。マネージャー自身にとっては簡単なことだったとしてもその部下にとっては高すぎるハードルかもしれません。彼らが自分でコントロールできるレベルまで難度を下げる必要があります。また、能力の高い人に対して低すぎるハードルでもまたモチベーションの低下を招きます。コントロールできる範囲をひろげて、能力に見合った仕事ができるようにして行くべきでしょう。
また、それぞれのメンバーが違う得意分野、違う個性を持っているので、それをうまく配してコントロールして行くことでマネージャーはそのビジョンへの道筋を組み立てます。

ビジョンはウォルト・ディズニーが語るところの「夢」であり、ワクワクするような理想の姿。このワクワクする思いを共有して、その実現を目指してゆく事そのものがチームビルディングとなるのです。

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