第26回『意見の対立を歓迎しながら感情の衝突を避ける方法』
2008年07月24日
チームで仕事をすれば意見の対立や考え方の違い、理解の違いから起こるコンフリクトが付き物です。
良い成果を出すためには多様な意見が必要ですが、メンバー同士の対立は避けたいものです。意見をぶつけ合いながらも衝突を起こさないことは不可能な事のように思えますが、実際に多様な意見をぶつけ合いながらも感情的な対立を起こさないでタスクを遂行してゆくチームがあります。そんなチームではどんな事が起きているのでしょうか?
チーム内で起こる感情的対立は大きなエナジーロスになります。チーム本来の目的達成よりもいかに相手を言い負かすかに力を注いでしまうことは起こりがちです。また、責められることでお互いに疲弊してしまう事も大きなロスです。
まず一番避けるべきはメンバー同士の対立を避けるために意見の対立を避けてしまう事です。これはそもそも多様性を活かしてチームで仕事をする意味がありません。意見の対立を歓迎しながら、感情の対立を切り離して行く必要があります。
パフォーマンスの高いチームで何が起きているのかというと、メンバー全員がきちんと目的意識を共有している事が顕著な特徴として挙げられます。意見が対立しても、それは目的のために必要なプロセスの一部であると認識しているために、自分が言ったことに対する異なる視点からの意見を歓迎します。そこで目的を見失い、意見の違いそのものしか見えなくなってしまうと自分の立場を守るために相手の意見や立場を否定するのです。目的のためには多様な意見は歓迎されるべきであるのに、自己防衛が本来の目的とすり替わってしまいます。
また、お互いの能力を認めあえている事も重要です。対立は自己主張のぶつかり合いです。メンバー同士がお互いに尊敬し合える状態だと無駄に自分の能力の高さを主張するために必要以上の自己主張をする必要がありません。むしろ、目的からそれて自己主張をしてしまう事で自らの至らなさをアピールすることになりかねません。
チームメンバー同士の対立を避けるポイントは以下の2点です。
・自分の意見を通すことではなく、チームで成果をあげる事に力を注ぐ。
・お互いの能力を認めあう。
これら以外にも色々な手法がありますが、まずはもととなる心構えとしてこれらの事が重要です。多くの場合、問題そのものよりも相手を言い負かすことに力を注いでしまいがちです。相手を言い負かすために本来の自分の主張を曲げてしまうような場面も多く目にします。
目的からそれて自分の意見にしがみついてしまうことなどは当事者の意識次第で今すぐにでも改善することができます。まわりのメンバーを否定する前に、まずは自分でできることから始めることでまわりの変化も促すことができます。