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第16回『ルールを破ってでも大事にしなければならないもの』

2008年03月06日

チームづくりレシピ

チームビルディングを行う際に、一見遊びの様なアクティビティの疑似体験を用いています。たとえば『等身大のクモの巣状に張った網の向こう側にチーム全員がクモの糸に触れずに抜ける』『生タマゴを高い所から落としても割れないようにする』など、多様なアクティビティがあります。アクティビティを行う際にも必ずルールがあります。参加者がルールに忠実に行う事で初めてその疑似体験が成立し、本気で取り組むことからの気づきが生まれます。
しかし、チームビルディングジャパンが行うプログラムではファシリテーターがルールを変えてしまう事が良くあります。逆にルールに縛られたファシリテーターでは務まらないのです。なぜだと思いますか?

それは、達成すべき成果を達成する事を優先するためです。アクティビティのルールも参加者体験を最大にする目的のためにあります。真剣に取り組み、印象深い体験をしてもらうためにあります。ですから、ルール通りに行う事がその妨げになる場合にはこのルールは臨機応変に変えて行かなければなりません。しかも、参加者に気づかれないようにです。

分かりやすい例で言うと、アクティビティに挑戦して成功、また成功と勢いづいてくると「成功して当たり前」という感覚になってきます。それによって次々と難しい事に挑戦してゆけるのですが、失敗のないチームは緊張感が無くなります。また失敗に対する耐性が薄れて来ます。ですから敢えてルールを厳しくし変えて 簡単には出来ないようにして、チームで集中して取り組む緊張感を高めるのです。

もちろんこれはケースバイケースです。単純に成功が続いたら失敗させるという訳ではありません。それぞれのチームのファシリテーターが参加者の状態を観察し、把握していないと的外れな結果になってしまいます。参加者の状態を見ながら参加者体験を最大にして行くために色々な方法を用いるのです。元々予定されていないアクティビティを入れる事もあります。

ですからファシリテーターには観察して感じ取る力が求められます。ただルール通りにアクティビティを行うだけであれば練習すれば誰にでも出来ますが、プロはルールを変えてでも参加者の体験の質を高めて行きます。
ルールも元々はその目指す結果のためにあるもの。その本来の目的をおろそかにしてまでルールを守って行くのは本末転倒です。ですから何でもルールを破ればいいという訳でもありません。目指している本来の目的にキチンと目を向けて本質から目を離さずに最善を尽くす事が必要なのです。

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