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第14回『「役に立たない連中ばかりだ」と嘆く前に』

2008年02月07日

チームづくりレシピ

「まったくウチの連中は役に立たん!」

会社は「役に立たない連中」に困っているリーダーであふれています。「役に立たない連中」を少しは役に立てるようにしようと行うのが研修です。しかし、彼らに研修を受けさせる前になすべき事があります。

一般的には、苦手な部分を少しでも減らして行き、成長させることを考えます。もちろんそれは大事なことではありますが、うまく行わないと悪い方へばかり行ってしまう事があります。

苦手だ⇒やるのが苦痛⇒上手く行かない⇒挫折感⇒苦手だ・・・

と、延々と続いてしまう可能性があります。弱点克服のつもりが、弱点強化になってしまう可能性もあるのです。これは実際の能力そのものよりもモチベーションの低下が大きな原因です。弱点克服は重要ですが、機能するように行う必要があるのです。

弱点克服より大事なのはその強みを活かし、伸ばすこと。短所と長所は表裏一体。短所がある人は長所もあるはずです。「自分の長所は何なのか?」「何が得意なのか?」「何が好きなのか?」本人にも考えてもらいます。
こういった事を行うのは口で言うほどに容易ではありません。しかし、これを行う事ができればどのような局面でどのようにその人を活かせばよいのかをリーダーが知ることができるのです。

しかし、これだけではまだ機能しません。その人の弱点は残ったままです。この弱点を克服するのがチームです。ある人の得意な事をある人は苦手としています。得意な人が苦手な人をカバーする、役割分担による適材適所のチームを組み上げるのです。
苦手な部分を克服するよりも、すべてのメンバーが得意な分野で力を発揮する事を重視します。それが組織全体としてあらゆる分野で強みを発揮するのです。

実際はもちろんこんなに単純ではありません。もちろん克服すべき弱点も克服してゆかなければなりません。それでも実際に身近な組織やスポーツチーム等で見た事があるかと思います。弱小チームを勝てるチームに変える監督、仕入れ担当者の「好きなもの」を仕入れさせて売ったら売り上げがアップした小売店。メンバーの良い所を活かす事で組織は大きく変化します。

本当は「まったくウチの連中は役に立たん!」と嘆いているリーダーの方こそ、組織にとっては役に立たない存在です。自分のモノサシに合わせて人を判断するのではなく、相手がどんなモノサシを持っているのか?多角的な視点で人を見て、活かす事がリーダーには求められます。

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