第84回『行動に感情が伴っているか?』
2014年08月14日
皆さんのチームでアクションを取る時にメンバーの気持ちはこもっているでしょうか? それとも気持ちの伴っていない行動でしょうか?
チームビルディングのプログラムの中で起こった良いことを職場でも再現しようと「プログラムの中で自分たちがやっていた行動を職場でもやってみよう」ということがあります。しかし、職場に帰って同じ様にやってみても必ずうまく行くとは限りません。日常の環境で気持ちが冷めてしまって、同じことをやっているようでも行動が同じだけで、そこに気持ちが入っていない場合があるからです。
今回はアクションと感情について考えてみましょう。
アクションと感情については誰かがプレゼンしているところを想像すると分かりやすいかもしれません。同じ話をするにも気持ちがこもったプレゼンと、ただ文字を読み上げるだけのプレゼンでは伝わるものが全く違うというのは皆さん経験があるかもしれません。同じことを話していても気持ちが伴っているかどうかでそも意味は変わってしまいます。
気持ちが伴った行動とそうでないものとではその意味と結果が全く違うのです。しかし、その違いに気づかないで表面的な行動の部分だけコピーしようということが起こりがちです。
例えば、プログラムの中ではチームで夢中になって取り組み、本気で課題の達成を目指しています。その時に節目節目に円陣を組んで気持ちを入れ直してうまく行く経験をするチームがあります。そのチームがこのプログラムから持ち帰り活かすものとして円陣を職場でもやろう!というものをそのまま持ち帰ったとしたらそれでうまく行くチームとうまく行かないチームに分かれます。
うまく行くチームは職場でも同じ温度感で仕事をしていて、皆が同じ熱い気持ちで円陣を組んでいます。うまく行かないチームは職場ではどちらかというと淡々と仕事をこなす仕事で日常には高い温度感がありません。円陣のアクションだけ同じようにコピーしてみてもそこにチームビルディングプログラムの時のような感情が乗っていない場合にはそこでスイッチを入れ直すような効果が出にくくなります。
他にもプログラムの中では対話の時間をたくさん取るので「対話が盛り上がったから職場でもやってみよう」ということもあります。しかしこの場合もただ対話の場を持つというだけでは上手く行かないのです。対話の時間を持つ時もまず気持ちの状態をつくるステップが必要です。職場で実践するためには話したい気持ちの温度を高めてから話をする必要があります。話したい気持ちがなければ湧き出る思いも、お互いに敬意を持った対話も起こりません。
これらの事を考えると次の2つのことが大切です。
・気持ちが動いた時、気持ちが行動に乗っている時を見逃さず、すぐに行動へ移す。
人の気持ちの状態は常に変化しています。だから気持ちが乗っている時に行動するのが大切です。todoリストに書き込んで取っておいても、もしかしたら次の機会には同じ気持ちで臨めないかもしれません。
・行動や対話の前にそこへのぞむ気持ちの状態をつくる
ただdoの部分に取り組むのではなく、その前に気持ちの状態をつくる意識を持つことも重要です。
どのようにその気持ちの状態を作るのかについてはまたの機会にご紹介したいと思います。