第78回『チームの本気』
2014年05月22日
チームは本気の集団です。ただ和気あいあいとやっている仲間でも、仲が良い集団でもありません。何かを本気で実現しようとしているアツイ人たちの集まりです。
しかし、どうやって本気の集団を作るのかはそう簡単なことではありません。今回はチームの本気について考えてみましょう。
本気の集団を作るために最低限必要なのは明確なゴールです。チームが何に対して本気なのかと言えばこの明確なゴールに対してです。そもそも何を成すのかのゴールが存在しないところにはチームは必要ないですし、存在し得ないのです。ですから明確なゴールは最低限必要です。
そしてそのゴールに対して本気になっている人が最低1名必要です。この一人が感染源となり、本気が伝播してゆきます。この一人は必ずしも組織の職務上のリーダーである必要はありません。誰でも良いのです。本気のチームを作りたいと思った最初の一人でもいいですし、そもそもチームを作ろうとすら思っていなくてもかまいません。ですから「上司がリーダーシップを発揮してくれない」という愚痴も「部下が未熟で一人前じゃない」などという泣き言も全く意味がありません。私たち自身、私たち一人一人が最初の一人になれば良いのです。
ゴールが明確でなかったり、本気でなかったりするとチームはバラバラになります。過去に素晴らしいチームであったとしても惰性で存続しているだけでは時間が経つとともに崩れて行きます。
「自分は本気なのにだれもついて来てくれない」という方もいるかもしれません。それは本当に本気では無かったのかもしれません。これはなかなか自分では分かりにくいものです。ただ確かな事は「本気は伝播する」ということ。自分の周りにいる誰にも響いていないとしたらそれは本気では無いということです。
そんな時は誰かの本気に触れてみると良いかもしれません。本気は本気の人から伝播します。本気の人たちに接すると自分の本気度が分かります。さらに、本気の人から本気を分けてもらうことが出来ます。本気は分け与えて減って行くものではありません。どんどん感染を拡大して行くだけです。
ただやるのと本気でやるのとは違います。
ただ考えるのと本気で考えるのとは違います。
本気は不可能を可能にします。
本気は人の心を動かします。
これはどんな理屈や数字を用いても出せない成果を生み出すのです。最高に優秀な人材を雇っても、大金をかけて投資をしても動かない人の感情が動きます。
そしてそれを実現できるかどうかは私たち一人一人次第なのです。