第76回『Todoリストではなくパッションを引き継ぐ』
2014年04月24日
組織で仕事をしていればメンバーの入れ替わり、中心メンバーの異動や退職などは起こり得ます。そしてどんな組織でも当たり前に仕事は引き継がれて行きます。この引き継ぎの時に多くの場合Todoリストやマニュアルを引き継いで、仕事を引き継いだつもりになってしまいがちです。しかし本当は「やらなければならないこと」が分かっただけではチームにとって十分ではありません。その仕事に対するパッションを引き継いで行く必要があります。
今回はメンバー入れ替わりの時期に起こる引き継ぎでのチームビルディングについて考えてみましょう。
それがチームでやる意味がある仕事であれば、そこに完璧なマニュアルやTodoリストは存在しません。チームは常に環境に適応して変化し続けるものであり、メンバーの特性が変われば役割もかわるものだからです。マニュアルが完璧でなくとも動かさなくてはならず、常にアップデートされてゆきます。Todoリストやマニュアルに依存していては前に進めないのです。
もちろんTodoとマニュアルは引き継いで行く必要があります。しかし、その些末な一つ一つの「何をするか?」よりもそれらによって何を実現したいのか?なぜやっているのか?そしてそこに注いでいる情熱そのものこそ本当に大切なものなのです。
例えば、プロジェクトの立案者や創設時メンバーなどの重要なキーパーソンが居なくなってしまう時などは特に大切です。ただTodoリストとマニュアルが引き継がれただけでは不安に感じるのではないでしょうか? それはそのしごとの本質は「なにをやらねばならないか?」ではないからです。その仕事によって実現するすばらしいことこそ本質であり、それが見えているかどうかが大切なのです。
その仕事によって実現するまだ見ぬ素晴らしい現実を今見るためにはそこに対する強い思いが必要です。それがパッションです。
パッションが引き継がれると、自分たちの目的の為に何をすべきか?は自分たちで考える事ができる様になります。パッションがなければTodoリストが終わればそれで仕事が終わってしまいます。
最初は誰か一人のパッションから始まるかもしれません。それが伝播し、繋がって行くかどうかがその活動が行き続けるかどうかを決めます。