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第66回『集団の中に個人を埋れさせない』

2013年12月05日

チームビルディング・ノート

チームビルディングはチーム全体を見てその成長を促してゆくものですが、実は一人一人に係わって行くことがとても大切です。チームといってもそれは一人一人の集まりで作られています。そしてその一人一人は皆違う特性を持っているのです。
特に一人一人がその特性を活かし、高いパフォーマンスを発揮できるようにサポートするマネージャーにとってはこの見方は大切です。今回はチームをただ集団として捉えるのではなく、異なる特性を持った個人の集まりとして捉えたアプローチについて考えてみましょう。

チームは個人の集まりであるので結局一人一人が変わっていかないとチームも変わって行きません。しかし一人一人抱えている問題点や課題は全く違います。その全く違う問題点や課題をもった個人一人一人に係って行く必要があるのです。
これはチームをただの集団としてしか見ていないととても難しい事です。「今年の新人は〜」「うちの部署はエンジニアの集まりだから〜」などといったステレオタイプだけの見方をしていたりすると一人一人は全体の中に埋れてしまいます。
一人一人の問題点や課題にアプローチして行こうとすると、全体に対して同じ言葉で同じことを伝えても当然同じように伝わりません。

チームビルディングのファシリテーターはもちろんチームを集団として見ますが、それだけではなくて一人一人個人の集まりとしても見ています。同じ事を伝えるにも違うアプローチを取ったり、それぞれの違う課題を見つけるために同じアプローチで係って行ったりもします。

私たちもチームビルディングプログラムのなかで色々な係わり方をしていますが、一人一人にフォーカスをしたやり方の一つをあげると、「一人一人が主役の時間を作る」というものがあります。
メンバー一人一人がチームだけでなく、自分自身の変化や成長に主体的な意識を持つきっかけをつくるものです。順番に一人一人のために時間を取り、その時間の間は本人も含めて全員がその人のために話をします。その人への良いところや改善点のフィードバックであったり、感謝の気持ちなども伝えます。抽象的ではなく出来るだけ具体的に伝えてもらうように促します。そしてもちろん本人も自分ではここがよかった、ここを改善したいといった話もします。
突然こういった話も難しいのでこの前段階である程度リスペクトあるコミュニケーションが取れる状態を作ったり、自己開示しやすい環境を作ったりということも大切です。
この時に出てくるものは本人もわかっていることがほとんど。それでも周りから客観的なフィードバックとしてそれを聞くとより重みを持って受け止められるものになります。
チームビルディングプログラムの中では例えば一日目の夜にこういった時間を取り、翌日からそれを実践してみるという事も起こります。なかなか普段は分かっていても出来ないことに非日常の場でまずは挑戦してみるのです。

人数が多ければ多いほど一人一人は全体の中に埋れ、隠れてしまいます。だからこそ色々な方法で一人一人に近づき、敬意を持って係わる事が大切です。

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