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第13回『いい人材を採用するためには?』

2011年11月24日

チームビルディング・ノート

企業の採用担当の方や経営層の方達から特に新卒採用でいい人材を採用するのに苦労されている話をよく聞きます。

・「もっとたくさん応募してもらえるようにしたい」
・「たくさんのエントリーの中からいい人材を見抜くのが大変」
・「内定を出したいい人材が他社に行ってしまわないようにしたい」

同じく就職活動をする学生の側も苦労しています。とにかくたくさんエントリーして、たくさんのノーを乗り越えて、仕事を通じて自分が生み出す価値よりもとにかく就職するということがゴールになってしまっています。
ここに本来無い方がいいはずのギャップがあり、社会の無駄があります。企業は自社に就職しない学生のために多くの時間とお金をつぎ込まねばならず、学生も実際に就職しない会社に多くの時間をかけなければならないのです。
採用する側からすれば、ベストマッチの人材だけが必要な人数だけ応募して来てくれて、しかも他社と掛け持ちではなく自社だけに応募してきてくれている方が良いはずです。どうしたら無駄なく、いい人材を集めることが出来るのでしょうか?

最高の採用のために必要なことは少なくとも経営層が自分達の会社がどのような存在であるかを知っていることです。「我々は何者か?」という問い対する答えを持っていて、それでも同じ問いを自らに問い続ける程の本質を求め続ける姿勢に基づいた理解が必要です。これはただ額に飾られただけの企業理念や、配布されただけのクレドやウェイなどではありません。その理解に基づいて日々決断し、行動出来るものです。そして、その理解された本質は末端の従業員まで誰もが理解しやすいシンプルなものであるはずで、そのシンプルな理解があれば会社の魅力も当然ながら明確になり「うちは採用していません」と扉を閉ざしていても良い人材が集まってくるでしょう。
たとえ門戸がとざされていても、強く「この会社で働きたい!」と思ってくれる人は必ず壁をよじ登ってでもあなたのところにやって来るでしょう。そこまでする人は恐らく他社に浮気をする気もそんな余裕も無いはずですし、あなたの会社が求める人材も良く理解しているはずです。

また、 「我々は何者であるか?」の答をシンプルな理解に基づいて全社員が理解しているならば、社員一人一人が「この人と一緒に仕事がしたい」と思える人材をリクルートして来る事も出来るでしょう。
現在の日本の新卒採用の仕組みに異を唱える人達はたくさんいますが、なかなか改善されません。より良い企業と個人のマッチングのためにはまずは企業が「新卒採用をやめる事」です。それよりも「壁を乗り越えてでもこの会社で仕事がしたい!」と思ってもらえる組織作りに時間と労力を費やすべきです。「もっとたくさん応募してもらえるようにしたい」「たくさんのエントリーの中からいい人材を見抜くのが大変」「内定を出したいい人材が他社に行ってしまわないようにしたい」?といった目の前のことしか見ていない近視的な対策ばかりに気を奪われていると、当然ながら応募して来る人達も近視的な見方しか出来ない人達が集まって来る事でしょう。

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