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第2回『具体的に何をすれば私たちのチームは良くなりますか?』

2011年06月23日

チームビルディング・ノート

短い質問ですが、その答えのバリエーションはとても複雑です。それは、どのチームもそれぞれに個性的であり、具体的な行動はたった一つではあり得ないからです。これは人間に例えれば「具体的に何をすれば私は健康になりますか?」という問いに似ています。それぞれの固有の健康状態によっても違いますし、聞く相手によってもその答えは様々でしょう。「カロリー制限と適度な運動が必要です」という人もいれば「ストレスを抱えすぎないように、しっかり休みをとってください」という人もいるかもしれません。
チームの場合もその具体的な行動は様々で、何か一つの取り組みだけで結果が出るという簡単なものでもありません。しかし、その本質は非常にシンプルです。多様な具体的取り組みの型の中に本質が織り込まれているのです。

私達も自社のチームビルディングで色々な取り組みを取り入れて来ました。それらも継続的に行われているものもあれば、無くなってしまったもの、形を変えて来たものなど色々あります。私達の会社では有効でも、他社では使えないものもあれば、他社で有効でも自社では機能しないものも有ります。
例えば、私達の会社では全員の給料をオープンにしています。給料だけでなく、全ての会計データはオープンです。これはどんな会社でも同じように出来るわけではなく、「絶対に無理」と考える会社も多いでしょう。
これがなぜチームビルディングの取り組みになるのでしょうか?これはオープンにする理由と、絶対にオープンにしたくない理由を考えるとよく分かります。それはどちらも同じ理由です。「会計データ、特に給与には疑念が渦巻きやすいから」です。完璧に公正で全員が納得行く給与配分や資金の使い方は不可能だからオープンにしてもケンカのタネにしかならないと考えるか、オープンにする事で全員で問題点を確認し、解決策を見つけて改善して行こうと考えるかです。
前者の場合は疑念に基づく問題を表面化しない、あえて争いの元を煽らないという考えに基づいています。後者の場合は問題があった場合にその解決に時間をかけなければならない事も有りますが、オープンにしなければ全て決めた通りに進められるので時間は短縮出来ます。
後者の良い点として、少なくとも何が問題点かは明確になります。「あいつは自分より高い給料をもらっているんじゃないか?」というような想像の上だけの疑念は一切なくなります。想像ではなくて事実として高いか安いかどちらかでしかありません。疑念を減らすことによって安心や信頼に繋がります。そして、チームビルディングにとって認識を共有することは欠かすことが出来ない要素です。事実を共有するだけでは認識ギャップは埋まりませんが、まずその認識ギャップを確認できるようになり、そしてその解決へ向けて取り組むことができるようになります。
このように、単純に「全員の給料をオープンにすればチームビルディングできますよ」ということではなく、その表面的な取り組みの背景にどのような意味があるのかを理解していると本当に自分達に必要な取り組みを選択出来るようになります。

私達の会社では会計データをオープンにする取り組みはうまく行っていますが、もちろん継続できなかった取り組みもあります。その一つに「毎朝自社のミッションやバリューについて話をする」というものもあります。これは、朝のミーティング時間短縮のためにやめました。しかし、その組織の存在意義、組織の軸について確認し、「常に原点に立ち返る」ということは大変有効で、多くの組織でいろいろな形で取り入れられています。これもまた改善しながら私達の会社でも活かせるようにして行きたいと思っています。

色々な組織の色々な取り組みを参考にして真似しながら、その本質的な意味を掘り下げて考え、自分達に合う形で取り入れ、実践して行きましょう。「これさえ出来ればどんな組織も完璧なチームになる」というような魔法の薬はありません。あなたの思いがチームビルディングのファーストステップです。一緒に頑張りましょう!

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