第52回『Afterコロナ社会で必要されるチームビルディング』
2021年01月21日
前回のコラムではWithコロナ期のチームビルディングについてお話ししました。
昨年はチームビルディングジャパンのメイン事業であるチームビルディング合宿を休止し、
すべてオンラインでプログラムを実施することになるなど、大きく事業の転換を迫られた1年でした。
なんとか生き延びようと取り組むなかで、「そもそも我々は、この環境のなかで生き残っていくべき種なのか、それとも淘汰されていく種なのか」ということも改めて考えさせられました。
社会のなかで必要とされているチームビルディングは何なのだろうか、と悩みました。
もちろん、淘汰されたくないという強い気持ちはあります。
我々は本当に必要なことをやっているんだろうか、ということを一生懸命考えました。
今、コロナ環境下でコミュニケーションが大変混乱し、困っている人たちがたくさんいる。
そして、我々は困っている人たちの助けになれる力がある。
「世の中の助けになろう」と思うに至った経緯を前回のコラムではお話ししました。
今回は、Afterコロナ時代のチームビルディングについてです。
「我々チームビルディングジャパンは、Afterコロナの社会でも必要とされているのだろうか」ということをさらに考えました。
結論としては、この先のAfterコロナの社会では、我々のやっているチームビルディングがますます欠かせない社会になると確信するに至りました。
コロナ以前から、社会の中ではすでに大きな変化が起こっていました。
それが、コロナで強調された社会全体への強いメッセージが2つあります。
一つはVUCAと呼ばれるような不確実性の高い環境になっていることです。今後ますます不確実性は高まっていくことでしょう。
もう一つは、経済成長を目指してきた社会からの変化です。
今は、「一人ひとりのハピネス」あるいは「社会全体としてのハピネス」を重視した社会に変わってきていますし、これからも加速していくでしょう。
コロナで強調された社会全体への強いメッセージをそれぞれ詳しく説明していきます。
一つ目は、「不確実性の高い環境である」ということです。
先がわからない、何が起こるのかわからない、どう対策していいのかわからない。
誰も正解を知らないし、専門家と言われる人たちも、人によって違うことを言う。
どうしたらいいんだ、政府が決めてくれ・・・と言っても、政府も正解を知っているわけではない。
このようななかでどうしたらいいのか・・・。
不確実性の高い環境で生き延びていくということが、コロナによって強調されて感じられるようになりました。でも本当は、コロナ以前にも実は起こっていたのに目を背けていたのです。
例えばAI、自動運転、ドローンなど、どう扱っていいかわからない、何もわからない、誰もやったことがないから知らないということがたくさんありました。これからもどんどんスピードが加速していきます。
IT、情報産業の変化が激しく、変化のスピードは速い。だから先が読めない。
そんななかでも何とかしていかなれれば・・・というのが今の社会環境です。
コロナによって「未来が読めない」というメッセージが広く強く伝わりました。
これからも不確実性の高い環境は続く。これが一つ目の変化です。
二つ目は、「経済成長からハピネス重視の社会」に変わってきたということです。
一人ひとりのハピネスと社会全体のハピネスが重要であると、みんなが思うようになってきました。
今、コロナでリモートで仕事をすることが増えました。
一見、強制テレワークのようになっていますが、「コロナ後もテレワークを継続したいですか」というアンケートをとると、継続したいと考えている人たちがかなりいるのです。
コロナ以前から、働き方改革の流れのなかでテレワークは推奨されていました。
働き方の多様性を認めて、一人ひとりが自分らしく働くことが求められていたのです。
これまでは東京にオフィスが集中していましたが、コロナ後は全国に本社機能やサテライトオフィス、ワーケーションも増えるでしょう。
事実、東京にオフィスを構えている会社は、次々とオフィスを手放しています。
チームビルディングジャパンも、2020年、オフィスを手放して完全リモートワークに移行しました。
バーチャルオフィス化している会社は、東京に住んでいなくても会社に勤めていられる時代になりました。
月に1回新幹線通勤して、普段は田舎暮らし。何カ月に1回だけ対面のミーティングがあるときだけ集まるということが、普通に起こるようになるでしょう。
SDGsについても、取り組んでいることを企業が積極的にアピールするように変わってました。
経済成長重視だったときは、「大事だよね、うんわかるよ」「でも経済成長しなきゃね」という感じだったのに、今は大きく変わりました。
今では、SDGsにきちんと取り組んでいなければ意識の低い会社だと思われ、顧客や投資家からも選ばれなくなってしまいます。
誰かの幸福を踏みにじって成長してくのはおかしいし、そんな企業は生き残っていけない。
個人個人のハピネス、そして社会全体のハピネスをものすごく重視するような社会に変わってきている。
経済的価値を生み出すためにも社会全体としてのハピネスが大事だと捉える人が増えました。
これが、経済成長重視の社会からハピネス重視の社会への変化です。
この2つの社会の変化が、組織が生き延びていく、成長していくうえでキーとなります。
不確実性の高い環境や、一人ひとりが自分らしくいられるハピネス重視の社会には、
「フラット型組織」或いは「有機的組織」が適しています。
これまでのように経済成長を重視し、確実な方法を仕組化して、誰でも同じように、間違えないように繰り返し行うことが組織の成長につながる時代には、「ピラミッド型組織」或いは「機械的組織」の方が優れていました。
でも今、環境が変わりました。最近はフラット型の「有機的組織」の企業がどんどん増えています。
現在の社会環境で生まれた新しい会社は、有機的な組織になっています。環境に適応して生まれ、成長しています。
しかし、現在の社会の仕組みを支える大きな会社は、いまだ機械的組織です。
社会のインフラを支える重要なポジションにある大企業は、元々機械的組織がうまくいく社会環境のなかで創業され、成長してきたからです。
このような組織のなかにいる人たちは、「変化しなきゃ」と思っていても、なかなか変わりません。
それはなぜか。機械的組織は崩れにくくできているので、変化しにくい構造になっているのです。
しかし、環境に適応して変化、進化しないと組織は淘汰されてしまいます。
この先3年~5年の間に、社会のなかで淘汰がたくさん起こるでしょう。それも社会全体にとって必要な進化の一部なのだと思います。
これまで機械的組織の方が優位な環境でしたが、今は有機的組織優位の環境に変化しました。
せっかく多くの知見や経験をもった大企業も、新しい環境に適応して変わらなければ淘汰されていってしまいます。
機械的組織のなかに有機的組織の要素を取り入れる必要があります。
いろんな企業の人から「何とかしたい」「けれど難しい」という話をよく聞きます。
Afterコロナの社会はどうなっていくのかな、我々チームビルディングジャパンの存在意義はどこにあるかを考えました。
チームビルディングジャパンは、機械的組織が有機的組織の要素を取り入れるために有効なノウハウややり方を持っています。
元々有機的組織の企業はそれでいいですが、そうではない組織、企業のために我々は役に立つことができます。今こそ役に立たなければならないと思っています。
不確実性の高い環境に適応し、進化していくことが求められる現在の社会のなかで有機的組織に進化していきたいと考える機械的組織の企業のために、チームビルディングジャパンは我々のもっている強みを活かして、これからもっと役立つことができます。
Afterコロナ社会におけるチームビルディングジャパンの存在意義は機械的組織の有機的組織への変革を支援することにあると考えています。