第48回『テレワーク・オンラインのチームをつなぐ習慣』
2020年11月26日
今、世界中で強制的にテレワークが進んでいます。しかも、在宅でのテレワークがとても増えてきていますね。
オンラインミーティングでうまくコミュニケーションを取ることが難しい環境でお困りの方に役立つ「日常のオンラインコミュニケーションが良くなるポイント」を今回は3つに絞ってご紹介します。
- 対面/オンライン混在問題
オンラインでミーティングをするときに
対面で集まっている人とオンラインで集まる人が両方いるためにうまくいかないケース
これをどう解決するか - 1人ずつしか話せない問題
コミュニケーションがオンラインだと
一度に一人しか話せないという状況が起こります。
それを越えて解消していく3つのコミュニケーション手段 - カメラオン/オフ問題
オンラインでミーティングをするとき
カメラをオンにするのかオフにするのか
音声だけにするのか
どうすれば一番良いミーティングができるのか
この3点をご紹介します。
1)対面/オンライン混在問題
会議の参加者に、オンラインの人と対面の人が両方いるケースです。
実はコロナに入る前にも、過去にも似たような状況は結構ありました。例えば、日本と海外をつないだミーティングのときに、海外に大多数が集まっていて、日本から1名参加するというような状況です。
ウィズコロナ期は、出勤を強いられている人と、テレワークを強いられている人の両方がいます。
オフィスでないととできない仕事の人たちが出社を強いられている一方で、会社のルールで、出勤の人数の割合を減らさなくてはならないためにテレワークを強いられている人もいます。
このような状況では、オフィスにいる人たちは集まって、そうでない人たちはテレワークで参加して・・・という混在型のミーティングが行われることになります。
会議・ミーティングといっても様々です。
一人が発信するだけで、他の参加者は質疑応答ぐらいなのであれば、オンライン参加者と対面での参加者が両方いても比較的うまくいきやすいです。
例えば、社長がメッセージを発信して社員が聞くような会議の場など、一人の人が発信する場合なら、発言者がオフィスに集まっていようがオンラインだろうが、他の人たちがオフィスにいようがオンラインだろうが、基本的にはコミュニケーションの線が1本なので問題なく会議を進めやすいといえます。
しかし、みんなで話し合う会議だとうまくいきません。
どうしても対面で会っている人の方がどうしても発信の量が多くなるし、話しやすいので、オンラインの人が発信しづらくなります。
この問題を解消するにはどうすればよいでしょうか。
この場合は、オンラインなら全員オンラインにして、オフィスに集まっている人も個別の部屋で一端末ずつつなぐ、もしくは、1つの会議室で距離を保って別端末でつなぎます。
ディスタンスを保つことで、ハウリングもしないし、マスクオフでコミュニケーションできます。
こうすると、全員が平等にコミュニケーションが取れるようになるのでおすすめです。
これは研修でも同様です。1つの部屋に集まってしまうと、マスクオンで参加することになり、マスクで表情が見えません。別の部屋からそれぞれの端末でつなぐことにより、表情が分かりにくいという問題を解消できます。
ミーティングの目的によってうまく使い分けてみてください。
2)1人ずつしか話せない問題
オンラインでコミュニケーションを取るときに普通は一度に一人ずつしか話せません。
オンラインではどの声も平面的に伝わってきます。対面であれば音声が被ってもある程度は聞き分けられるのですが、オンラインだと何を言っているのか聞き取りにくいですし、タイムラグも気になります。
オンラインでは一度に一人しか話せない・・・という制約は、話し合いの質を下げてしまいますが、これを越えていくための方法があります。
オンラインミーティングでは、音声だけでなく、3種類のコミュニケーション手段を同時に使うことができます。これらを活用すると対面の会議よりも活発な会議にすることも可能です。
1つは、普段使っている、音声によるコミュニケーションです。
もう1つは、映像によるコミュニケーションです。画面を通じて身振り、手振り、手話などでコミュニケーションを取ることができます。
もう1つは、チャットです。誰かが話していても、同時に複数の人がチャットでコミュニケーションをとることができます。
音声、映像、チャットという3つのコミュニケーション手段を使い分けることで、
一度に1人しか話せないという制約を超えていることができるのです。
例えば、会議中に質問をしようと思ったら、誰かが話している最中でも瞬時にチャットに書き込むことができます。話している人も話を中断せずにチャットを見て答えることもできます。
対面型の会議だと、次に話せるタイミングを見計らって発言しなきゃ・・・と発言するタイミングを待ってしまいがちですが、オンラインならチャットを活用するこでそれを解消することができます。
気軽な共有メモとしてもチャットは有効です。気づいたことを共有できるし、それを見てお互いにコメントもできます。そのまま記録にも残せるのでとても便利です。ある意味では、対面の会議よりも優れている点だといえます。
映像を通じてのコミュニケーションもとても効果的です。
例えば「みなさんどう思いますか?」と聞いたときに声で「はい」「いいえ」と答えるのではなく、身振り手振りで、丸をつくったり、グッド・いいねサインを出したり、今のはちょっとわかりにくいな・・・と感じたら首をかしげたり、うんうんと頷いて、解った感を出したりします。
頷いているのが見えれば、話している人は話しやすくなります。
また映像を通じてお互いの反応をより良く意識し合いながらコミュニケーションを取ると更に効果的です。例えば「この人は何か話したそうだな」ということなども感じ取り合いながら話が出来ます。
音声だけのオンラインミーティングしか取り入れていない組織ではぜひこの3種類のコミュニケーション手段を試してみてください。会議の質と成果が大きく変わります。
3)カメラオン/オフ問題
オンラインミーティングのときに、カメラはオンにしてなきゃならないのか、オフでいいのか。最近オンラインミーティングが始まった人は、このカメラオン/オフ問題にもやもやしたことがあるかもしれません。
これも比較的簡単で明確な解決方法があります。
それは、事前にこのミーティングはカメラオンなのか、オフなのかを目的に合わせて決めて、参加者に伝えておくことです。
オンラインミーティングはカメラオンとオフ、それぞれにメリット/デメリットがあります。これをうまく使い分けると、それぞれの良いところを活かすことができます。
コミュニケーション手段を増やすことだけを考えると全部カメラオンが良いと思われるかもしれませんが、カメラオンの場合のデメリットは、画面に意識を向けて疲れることや、きちんと画面に見せる準備をすることで気軽にミーティングしずらくなるということです。
ずっとカメラオンで集中していると対面で話すときよりもかなり疲れます。うまくカメラオフとオンを使い分けて、必要なところでオンを活用するのがおすすめです。
カメラオフの最大のメリットはやはり気軽に参加できるということです。隙間時間にちょっとつないで打合せしたりできます。カメラオンの場合、映るとなると身支度などの準備に時間がかかる人もいます。準備しない人にはこの感覚が分かりづらいのですが、この違いがあることはお互いに認識しておくと誤解が少なくなります。
ミーティングの目的に合わせて、事前にカメラオンで参加か、カメラオフで参加かということを明確に伝えておくことが大事です。
ではどういうミーティングにカメラオンが向いていて、どんなミーティングにカメラオフが向いているのでしょうか。
例えば、データを元に話す場合は、カメラオフが向いています。
データに基づいて判断するような話や、売上の数字の話などです。
カメラを使わないのであればそのデータを画面上で見ながら話をすることもしやすいです。
カメラオンが向いているのは、アイデア出しや相談、ブレインストーミング、共有のための話し合いです。
結論を出すことが目的ではなく、お互いが考えていることを共有したり、雑談する場合は、カメラオンが向いています。
例えば思いを共有したりする対話やアイデア出しなどでは沈黙や間が必要だったりします。「沈黙」は内側で色々なことが起こっている大切な時間なのですが、カメラオフの場合、全員が沈黙してしまうと不安になります。カメラオンで沈黙の場合は、どんな表情で、どんな意味の沈黙なのかが分かります。
相手がこういう状態なのが分かると、安心してコミュニケーションがとることができます。
沈黙が大事な場では、カメラオンの方が効果的です。
それぞれの良いところを最大限に活かすには事前にカメラオン/オフをしっかりと伝えて、明確に使い分けることが効果的です。
今回のまとめ
- 対面/オンライン混在問題の解決方法
⇒全員オンラインにする。対面での参加者とオンライン参加者が混在するミーティングは、話し合いを起こしたい会議ならやめた方がいいです。
同じオフィスにいるとしても、別々の端末で各自つないで全員がオンラインの状況にします。
ただし、一人の人がスピーチするような講演型であれば、オンライン・対面、混在もOKです。 - 1人ずつしか話せない問題の解決方法
⇒3つのコミュニケーション方法を併用する。オンラインミーティングでは一人しか話せない問題を越えていく方法は、音声、映像、チャットの3種類のコミュニケーション方法を併用し立体的なコミュニケーションをとることです。
- カメラオン/オフ問題の解決方法
⇒オンかオフか、事前に決めて伝えておくカメラのオンオフはどちらが良い悪いというわけではなく、それぞれメリットデメリットがあります。使い分けが大切です。
それぞれの良さを活かし、不安なくミーティングに参加することができます。
事前準備をしていけば無駄に不安にならずに済みます。
安心してみんなが参加できる状態をつくることが大事です。
今日ご紹介したことは、どれもやればできることばかりです。
やりやすいところから始めてみてください。必ず会議が変わります。