第42回『対立するチームとイノベーションを生むチーム』
2020年09月03日
組織(チーム)の会議や話し合いの場で起こる「対立」と「イノベーション」。この2つは共通の土壌から生まれます。
共通点は何だと思いますか。それは、どちらも「メンバーの多様性や異なる視点の意見などによって起こる」ということです。
しかし、あるときは今までのあたりまえを覆すようなイノベーションが起こり、また、あるときはチームを疲弊させる対立が起こります。
チームにイノベーションが起こるのと、対立してしまうのは紙一重なのです。
多様性により対立してしまうチームと、多様性を活かしてイノベーションを起こすチーム。何がその違いを生むのでしょうか。
それは、以下の2つの違いです。
・異なるものを受け入れあい、混ぜ合わせる
・異なるものを拒絶し、分断する
普通に話をしていると、自分の経験や価値観に基づく当たり前で物事を判断してしまいます。
「『自分が相手だったらどういう気持ちだろう』と相手の立場に立って考えなさい」と言われたりしますね。
しかし、「自分が相手だったら」と考えることここで言いたいこととは、ちょっと違います。
「自分だったら、こう考える」ということと「相手だったら、こう考える」ということは全く違うことなのです。
自分と異なる見方、考え方に接すると、つい「相手は分かっていないから、分からせないといけない」、あるいは「相手が分かっていないせいで自分が迷惑している」などと考えがちですが、まずはこの考えを手放さなくては分断や対立が起こります。
相手が分かっていないのではなく、お互いに分からなくて当たり前なのです。
メンバーが多様であればあるほど、自分の当たり前とは違うことが起こります。
それでも相手の存在そのものを尊重し、自分と同じ目的のために最善を尽くしていることを信頼し合えればこの違いから自分一人では生み出しえなかった多様な視点を活かしたイノベーションを起こす源泉となります。
対立と分断で疲弊するチームになってしまうか、それともイノベーションで未来を創造するチームになるか。その明暗を分けるポイントは、
・自分の正解、正当性にしがみ付くのをやめる
・お互いに尊重し合える関係性を作る
・チームで同じ目的に向かっていることを確実にする
対立や分断ではなくイノベーションを生み出せるチームを育てていきましょう。