第24回『混ざり合いを起こす』
2019年12月26日
組織づくりと人づくりに必要な9つの要素
【 組織を一つにするもの 】
●自分たちらしさ
●目標、ビジョン、ゴール
【 ベースとなる組織文化 】
●心理的安全
●多様性と受け入れ合い
●主体性
【 組織として学び、進化し続けるための行動 】
●失敗や異色な発想を受け入れる
●混ざり合いを起こす
●行動量やコミュニケーション量を増やす
●リフレクションを行う
河村 甚(以下じん):個人で学ぶのではなく、組織として学び、進化していくためには関わり合うことが必要です。
関わり合うとはつまり、一見すると“余計なお世話”に思えるような踏み込んだ関わりかけをするということです。そしてその”余計なお世話”が混ざり合いを生むということなのですが、とはいえ、本当に余計なことだったら嫌がられてしまいますね。
(本来やる必要はないが、それをしたら相手にとって良いと思える発言や行動を”余計なお世話”と言っています)
混ざり合いを起こす“余計なお世話”ができるためには、「この相手は今どういう状態なのか」「相手はどんなことを大切にしているのか」を一生懸命捉えようとすることが大事です。
「この人は今きっと、こんなことを必要としているはず」「この人にこんなことをしたら喜んでもらえるはず」というところまで捉えることができてはじめて、相手に喜んでもらえる“余計なお世話”ができます。
相手の邪魔になる“余計なお世話”になってしまうことを恐れ、遠慮して関わり掛けるのを止めてしまうと、混ざり合いを起こして組織を進化、成長させていくコミュニケーションが起きなくなってしまいます。
組織として成果を出しているチームを対象にした研究によると、「女性のいるチームの方が成果が出る」という調査結果が出ています。
女性がいるとどうして成果が出るのでしょうか。
統計的には女性の方が人と関わり合う能力が高いということがわかっています。
相手がどういう状態なのか察して関わり掛けていく力は、女性の方が一般的に高い傾向があります。
関わり合う力のある女性がいるチームは、高い成果をあげる。
関わり合う・混ざり合うことはチームビルディングで重要な意味を成していることがわかります。
――関わり合いが苦手な方もいますよね。
じん:実は、私自身は本来あまり“関わり掛け”をしないし、
関わり掛けられるのが嫌なタイプです。
「自分で何でもできる」「自立している」ということを大切にしている人は、関わり掛けを避けてしまう傾向がみられます。
「自分でできる」「自分の力が強い」と思っている人は、実際にパワーが強いかもしれないませんが、組織で結果を出すためには、それだけでは機能しません。
ちょっと余計なところを踏み込んで、関わり掛けていくということが絶対に必要です。
自分で何でもできると思っている個人プレイヤーがチーム内にいること自体はよいけれど、そういう人たちだけが集まっては、組織としてはうまくいきづらいのです。
だから、「“余計なお世話”の関わり掛けをしていく」とか「ちょっと言いにくいことも相手に言う」というようなことがすごく大事です。
上司に対して「それは違うのでは」と指摘するのは憚られることも多いかもしれません。
でも、言いにくいと思う相手に対しても、全体のことを考えて伝える。そして受け入れ合うことが大事です。
組織として学び、進化し続けるためには、関わり合い・混ざり合いを起こすことがとても重要です。