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第14回『目標、ゴール、ビジョン 理論編』

2019年08月08日

チームビルディング・バイブル

 

組織づくりと人づくりに必要な9つの要素
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 【 組織を一つにするもの 】
 ●自分たちらしさ
 ●目標、ビジョン、ゴール
  
 【 ベースとなる組織文化 】
  ●心理的安全性
  ●多様性と受け入れ合い
  ●主体性
 
 【 組織として学び、進化し続けるための行動 】 
  ●混ざり合いを起こす
  ●失敗や異色な発想を受け入れる
  ●行動量やコミュニケーション量を増やす
  ●リフレクションを行う
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――「組織を一つにするもの」には、2つの要素があります。一つは、真ん中にある軸である「自分たちらしさ」、もう一つは、自分たちの外側にあり、向かう先である「 目標 、ゴール、ビジョン」です。
今回は、「 目標 、ゴール、ビジョン」の背景にある考え方や理論を紹介します。

 

 

■ バーナードの組織の3要素

『経営者の役割(1938)』のチェスター・バーナードによると

1)コミュニケーションが取れる
2)貢献する意思
3)共通の目的

が組織が成立する要素であるとその著書の中で定義しています。

ただの人の集まりではなく、集団が同じ目的に向かっているということは、
組織の成立条件であるということです。

このように、組織の全員が同じ目的や目標を共有することの大切さは、古くから言われてきました。

 

■ 学習する組織

ピーター・センゲが『最強組織の法則』で紹介した『学習する組織』は、常に変化し続ける社会環境の中で組織として学び進化し続ける組織形態です。
学習する組織を構成する5つの要素の一つに「共有ビジョン」があります。

全員が同じ方向を向く、チームが目指す一つの旗となる。
個人個人が勝手にバラバラのことをやっているのではなくて、
同じ目的、ビジョンを持つことによって、個人の集まりが組織になることが大切だと言われています。

これはただ「こういう仕事をやりましょう」「作業をやりましょう」ではなく、
この仕事・作業がどこに向かっているのかを示すものです。

例えば、
ジョン・F・ケネディが人類を月面に立たせるといった宣言は共有ビジョンとなりました。
人類を月面に立たせる、ということは
壮大なチームで臨む、大きなビジョンで、
ここに向かっているんだということを
みんなが共有することによって、チームになっていく。

もし、何のビジョンも示されずに
「あなたはこの部品を作ってください」だとか
「あなたはこのプログラムを作ってください」などと

作業を依頼されたら、
それは単なる作業になってしまいます。

目の前の一つ一つの作業が、どこに向かっているのかを明確に示すことで、
たとえバラバラのことをやっているとしても、
みんなで一つのことに向かっているということが共有されるのです。

そうした共有ビジョンの重要性が『学習する組織』では語られています。

 

■ フロー理論

フロー理論は、人が時間も忘れるくらい夢中になって何か取り組んでいる状態を調査したミハイ・チクセントミハイによる研究成果です。フロー理論の中でも「明確なゴール」について挙げられています。

フロー状態の人たちを調査した結果、8つの共通する要素が確認されました。その中の一つが明確なゴールです。
何を成し遂げるのか、どうしたら達成なのかを明確にに認識していることがフローを構成する重要な要素の一つです。
明確なゴールがあるからこそ、没頭して取り組み、高いパフォーマンスを発揮できるのです。

 

■ OKR

OKR(Objectives and Key Results)という、無難な積み上げではない、高い目標にチャレンジしてゆくための目標管理手法では組織全体のチャレンジングな目標が明確に示されます。
チャレンジングで明確な目標と、その評価指標で構成される仕組みです。
ここでは組織を飛躍させる原動力として高い目標が使われています。

何を実現したいのか?をシンプル、かつ明確に表し、そこに近づいているかどうかをを定量的に測ることができる評価指標を設定します。

確実に達成できる目標で小さな成長を重ねるのではなく、高い目標があるからこそそこへ向かって飛躍的な成果を発揮することができます。

 

さいごに

「目標、ゴール、ビジョン」は、
組織全体として実現していくところはここなんだ、と共有することによって
一人ひとり、個別の作業にならずに、
結束力、組織の凝集性を高めるものです。

個々の違いや考え方のギャップがあろうとも、
同じことを目指しているから、その違いを乗り越えて、チームだと感じられる。

あいつはちょっと変なことを言ってるけれど、
同じ目標、同じことを実現するために頑張っている。

そこに対しての全力、本気は信じられるから、
受け入れられるし、一緒に仕事をしていこうと思える。

共通のゴールは、そのような力を持っています。

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