チームビルディングとは
2007年08月01日
チームビルディングとは、『仲間が思いを一つにして、一つのゴールに向かって進んでゆける組織づくり』のことです。
もう少し言葉を補うと、『仲間が主体的に自分らしさ、多様性を発揮しつつ、相互に関わりながら一丸となって共通のゴールを達成しようとチャレンジする、そうした組織をつくるための取り組み全般』と言えます。
また、そのために開発された手法やプログラム、研修そのものを「チームビルディング」と呼ぶこともあります。 ここ25年ほどの間に、日本でも多くの組織のリーダシップ研修、人材開発の現場で「チームビルディング」が導入されるようになっています。
チームビルディングとは何をすることなのか?
具体的な実施内容としては主に以下の3つがあげられます。
体験の共有
社内の親睦を深めるためのイベントや社員旅行、部署内での飲み会など、共通体験を持つことはチームの関係性をよくするため、チームビルディングの一環として考えられます。お互いのことを知りあい、コミュニケーションの量を増やすことで、チームとしての関係性の基盤を作ることにつながるためです。
チームビルディング研修・合宿
チームビルディングを目的に開発された研修プログラムを実施することは、さらに効果的です。チームビルディング研修の中では、メンバーと困難な課題に挑戦し、行動を振り返って改善点を見つけ、さらに改善点を反映して再挑戦するなどのプロセスを実践します。その中で夢中になる感覚や本気で取り組む達成感を得たり、チームの力を発揮するためのさまざまな行動の仕方、考え方を得たりすることができます。2日~数日にわたる合宿プログラムを実施すれば、「このチームなら何でもできる」と感じられるような強い信頼関係を築くこともできます。
継続的な組織づくり
日常の場(例:職場など)で、日々の取り組みを続けることも重要です。たとえば、以下のような取り組みです。
- 定期的にチームミーティングを持ち、日常のコミュニケーションを振り返り改善する
- オフサイトミーティングなどでミッション・ビジョン、部署の目標を新しく見直す
- チームがより良い関係性になるような人事制度を構築する
また、大きな組織の組織変革の現場では、長期的な視点で、イベントや研修なども組み合わせて実施することもあります。
チームビルディングにはどのような効果があるのか?
どのような目的で行うかによって、さまざまな効果を出すことができますが、たとえばチームビルディング研修は次のような変化を生むことができます。
1. 本気で取り組む中でのメンバーの考え方、行動、関係性の変化
研修の中では、さまざまなゲーム形式のアクティビティ(課題)に挑戦します。例えば、「◯mの壁を、道具を使わずに全員で乗り越える」、「◯秒以内に、一つの輪を全員がくぐり抜ける」、「謎を解いてゴールに到達する」などです。一見「とても無理!」と思えるようなものもあります。困難に思えるゴールにどのように立ち向かうか、ここからチームビルディングは始まります。一人で悩んでもできないことを仲間と一緒に作戦を立て、実行して、失敗して、課題を見つけて、改善して再挑戦して……チームで悩んで、チームで力を出し合って乗り越えるのです。 本気になれば、思いもかけない突破口が開けることもあります。失敗すれば悔しく、次に成功するためには自分の殻を脱ぎ捨てることも必要でしょう。夢中になって取り組むことで、一体感や達成感を得ます。このようなプロセスを経て、チームで取り組んだときに“気持ちが動く”感覚を体得します。 その感覚を日常の場に戻ったときにも味わいたい、どうやったら味わえるだろうかとそれぞれが考え、行動するようなったら……チームビルディングの第一歩は成功したといえるでしょう。
日常の場(職場など)に戻ってからの変化
前述のような体験をした後に日常の場に戻ることで、日常の考え方、行動、関係性の中にも以下のような形での変化が起きてきます。
- チーム内の上司、部下など上下の壁が薄くなる、なくなる
- 達成感を共有したことから、日常の場でもモチベーションが上がる
- 仲間への尊敬や信頼が増して、会話やコミュニケーションが活性化する
- タスクを通してコミュニケーションの改善方法についても学ぶため、普段から率直で正直なやりとりができるようになる
- 相手の言い分に耳を傾ける心の余裕が生まれる
- 思考の枠組みを外して、さまざまなアイディアが出せるようになる
- リーダーは、実践すべき明確な行動指針を持つようになる
- チームとしてイノベーションを起こす方法に気づく
このような変化が起きることで、チームが育っていきます。