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第74回『会議でチームビルディング(1)組織開発コンサルタントになるまで(前編)』

2018年01月25日

チームビルディングの話をしよう
2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、
代表河村がチームビルディングを切り口に
さまざまなテーマでいろいろな人と話し合った様子をお届けしています。

今回の『会議でチームビルディング』は、株式会社 Dialogic Consulting 代表取締役社長

吉田 創(そう)さんをお招きしての対談です。
http://www.dialogic.jp/
 
そうさんは現在、対話型組織開発コンサルタント・ファシリテーター・講師としてご活躍中であり、
会議で行うチームビルディングプログラムをチームビルディングジャパンと共同開発しています。
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目次

河村 甚(写真左、以下じん)
本日はお越しいただきありがとうございます。

吉田 創さん(写真右、以下そう)
いえいえ、こちらこそありがとうございます。

じん
そうさんとは今、「チームビルディング・ミーティング(会議で行うチームビルディング)」を一緒に作ったり、会議研修を実際にチームビルディングジャパンでやってもらったりしています。
そうさんは話していて非常に面白いので、メルマガでもぜひ対談してみたいと思っていました。
どうぞよろしくお願いします。

まずは、そうさんの自己紹介からお願いします。

そう
何がみなさんに必要なのかわからないと、自己紹介はちょっと苦手なのですが、

せっかくの機会なので、「何をしてきたのか、何をしている人なのか」と
「自分なりに見た自分」という二つの側面で話してみようと思います。

まずはどんなことをやってきたかというと、

何歳ぐらいからいこうかなぁ・・・

じん
3歳ぐらいから・・・(笑)

そう
では、40年遡って・・・(笑)とそこから始めると延々話し続けてしまうので、高校生の途中から始めましょうか。

 

アメリカへ ~高校から大学、そして起業~

そう
高校の途中にアメリカへ留学して、向こうの高校を卒業しました。
そのままアメリカの大学に入りました。

じんさんとは同い年なのでわかると思うのですが、
当時、古着ブームがあったのを覚えてます?

じん
あったあった!

そう
まだキムタクがベストジーニストの殿堂になる前、
雑誌でいうと『Fine』とか『Boon』とかで、『Warp』が出る前ですかね。

日本の古着ブームで、
アメリカで古着を買って日本に送るだけで、結構なお金になったんです。

じん
そういうのやってる人たち、いた!

そう
そうそう、
学校のお休みに週末1日ぐるっと回ってくるだけで、1000ドルぐらいになっちゃうんですよ。

じん
へぇ~!

そう
1日にTシャツを200枚くらい買うんですが、
1枚で約5ドルの儲けがある。そうすると1,000ドルじゃないですか。

すると、大学で講義を聞くよりも、そっちの方が楽しくなっちゃう。
車も新車を2台乗り換えました。

じん
へぇ~いいねぇ~。

そう
そんな感じで、結局大学行かなくなっちゃって(笑)
向こうで会社を興して、投資家ビザを取りました。

自社ブランドを立ち上げたりとか、新品物も扱ったりしながら
しばらくは向こうで仕事をしていたのですが、

このぐらいのときにインターネットに出会って、衝撃を受けました。
「あぁ、この先この物流の仕事は無くなるな」と思ったんですよ。

じん
ほぉ。

 

変化の兆し

そう
インターネットで情報の流動性が高まったことで、
アメリカの価格を日本の人も知りだした。

じん
そうだよね・・・。

そう
情報が得られるようになると、人の流動性も高まりました。

当時は僕らが買って送っていたけれど、
その頃「バイヤー」という言葉が初めて出てきたんです。
日本からアメリカに直接買い付けに来る。
そうなると、僕らができることは限られてくる。

情報の流動性が高まりました、
人の流動性が高まりました、
次に何が来るかと思っていたら、クロネコヤマトですよ。
物流の流動性が高まるなと思いました。
日本からインターネットで工場に直接買われたら、
間に挟まる僕らみたいな仕事は必要なくなりますから。

かつ、アパレルは中国がメインになりつつあり、
アメリカに居る理由が無くなってきていました。

僕の中では、「アジア」「IT」が次のキーワードになると考えたんです。

 

日本へ ~IT業界で起業~

そう
アメリカのシリコンバレーという選択肢もありましたが、
ここは日本のITバブルに乗っかろうと思い、日本に戻ってきました。

日本でソフトウェアの開発会社に入り、営業企画として3年間お世話になりました。

その後、独立して会社を始めました。

1992-3年に古着を始め、1997年に日本に戻ってきて、2000年に
独立して会社を立ち上げたということですね。

ITバブルだったので、その後いろんな方が投資してくださって
資本金が増えていき、ある会社に買われて、
買ってくれた方の会社の社長もやったりもして、
結局、何億かのお金を集めて30人ぐらいの会社になりました。

でもある時、「このままでいいの?」って思ったんです。

じん
なるほど。

そう
周りはITバブルが来て、イケイケドンドンで、
ITの人たちは誰もがIPOみたいな言葉を吐いていた時代ですよ。

そこに自分も乗れるし、乗っていけてるし、やれてるし、やれる人だと思っていたんですけど、
あれ? ちょっと違うかも・・・と。
あまりギラギラできない自分を感じてきたんです。

じん
なるほど。

そう
株主との折り合いも良くなくなってしまい、
2003年に自分の会社を買い戻しました。

一緒に働いていただいた方に、本当に申し訳ないことにリストラすることにもなってしまったのですが、
もう一回会社を買い戻して、スタートアップのときの最初のメンバー4人でリスタートしたんです。

ところが4人で始めたら、正直居心地よく感じたんです。

株主の社外取締役がいて、自分がいて。メンバーがいて、自分がいて。
そういう間で調整するというのは、僕はその時上手じゃなかった。

そこを突破できるスキルやエネルギーがあれば、また違ったのかもしれませんが、
自分はそっちの方じゃないんだなと思いました。

その後は売り上げもいい感じでした。
2008年9月 リーマンショックのあの月が、一番売り上げが良かったですね。

じん
へぇ~!

そう
それなりに利益を出していましたが、
リーマンショック後からだんだん、会社の方向が少しずつ変わってきたんです。
自分たちの技術を買ってくださった会社さんにも、業務縮小の傾向が見られるようになりました。

 

人材育成業界との出会い

そう
まだ余力はあったので、
その間に大学に戻るかとか、資格を取ろうかとかいろいろ模索している中で、
2009年、人材育成の業界に触れる機会がありました。

「こっちの方が面白いぞ!」

そう感じましたね。

じん
触れる機会というのは、どういう機会?

そう
それはですね、
その頃僕には行きつけのスナックがあったんです。

かなり怪しい場末感のあるスナックで・・・(笑)
「バッカス」っていうんですけど。

じん
怪しい(笑)
そこ行きつけだったの?

そう
最初は自分一人で行く勇気はなくて、
アメリカ時代の友人が遊びに来たとき、一緒に行こうよ、と。

そしたらその日はお客さんが一人も居なかったんですが、
ママがとても面白い人だったので、通うようになりました。

通い始めたら、客がおじいちゃんばっかりなんですよ。

おじいちゃんの話がおもしろいんです。
零戦の教官をやったとか、日中戦争の初期に戦ってました、とか。
シベリアに抑留されてましたとか、
終戦を海軍学校で迎えました、とかね。

じん
すごいね。
相当なおじいちゃんじゃない?

そう
中心年代は僕らの親世代でしたが、当時は90いくつの方もいましたね。

カラオケも無い店だったんで、おじさんたちが
くっちゃべってばかりいる店なんですよ。
それが面白くて通ってました。

その中に、いつも
酔っぱらってても、酔っぱらってなくても
酔っぱらってるみたいな変なおじさんがいたんです。

その人、毎日お店に来ている人だったんですが、
毎月1週間居なくなるです。

聞くと、1週間、研修をしていると言う。

その時の僕には、1週間合宿研修の意味が分からなかった。

なぜなら僕自身、学ぶとか勉強するというのは、
いわゆる導管型学習、
先生が前に立って、その人たちが持っている知識や経験、
もしくは教科書に書いてある情報を
僕たちは記憶する、覚える、そして出来るようになる、
机にちゃんと座って学ぶ学習スタイルしか知らなかったわけです。

あえて1週間合宿で思い浮かぶとしたら、
富士山特訓みたいなイメージしかない。

じん
根性系のね。

そう
そのおじさんは特訓できるような体つきでもないし、
かといって先生という感じでもない。

研修講師というとこぎれいなシャツを着て、ジャケットを羽織って、インテリ臭い眼鏡を掛けて、キラーンとた目で「なんでも訊いてごらん? 僕が何でも教えてあげるよ」。
そんなイメージしか持ってなかったんです(笑)

だから、なんだこのおっさん、とずっと思ってたんですが、
5年ぐらい経ったある日、突然「うちの研修来る?」って声を掛けてもらったんです。

でも、基本1週間携帯禁止って怪しいし、
自己啓発だから参加費も高いし、
社長だし1週間休むのもなぁ、とか迷ったんですけど、
1週間の研修内容とこのおっさんの正体を明かすために、結局参加することに決めました。

 

→後編に続きます(2/8配信予定です)

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